【没後150年 歌川国芳展(前期)】
art-1 【没後150年 歌川国芳展(前期)】 森アーツセンターギャラリー
歌川国芳展に行って参りました。
正月早々混んでました(←その一人)。
今回の展覧会は、没後150年を記念するもので、前後期とほとんどの作品が入れ替わる大規模なもの。
第1章 武者絵-みなぎる力と躍動感
国芳の出世作となった水滸伝他、武者絵の数々。
のっけから迫力のある画ばかりで圧倒される。構図のダイナミックさとカラフルな色彩。
中でも、妖怪やら怪物やら骸骨やらが出てくる作品がおもしろい。
ポスターにもなっている「坂田怪童丸」、真っ赤な金太郎で目をひく。
第2章 説話-物語とイメージ
「龍宮玉取姫之図」のストーリー性がおもしろいのだが、「地獄図」は細かいところまで描かれていて恐ろしい。
第3章 役者絵-人気役者のさまざまな姿
ブロマイドの役割を果たしていたともいえる役者絵。
歌舞伎役者については詳しくないのだけど、今いる役者の先代(よりもっと前)が描かれていて、この家柄は昔からこの演目だったのね、ということがわかる。意外に楽しめた。
第4章 美人画-江戸の粋と団扇絵の美
国芳に美人画というイメージはなかったのだが、結構描いてるんですね。
といっても、つんとすました美人ではなく、庶民的で親しみやすい。
遊女の絵もいいな。
気に入ったのは「雪だるまを作る美人」、「猫と遊ぶ娘」。
第5章 子ども絵-遊びと学び
子どもがねー、子どもっぽくないのだ。髪型でようやく子どもとわかるというか。
同居人曰く、ブリューゲルが描く子どもみたいだそうな。
第6章 風景画-近代的なアングル
これまた風景画というイメージはない国芳。
西洋の画法を取り入れていたというが、うーん、イマイチよくわからない。
第7章 摺物と動物園-精緻な彫と摺
摺物というのは、注文制作の作品で、金銀が用いられるなど豪華な作品が多いらしい。
「しんぱ連」などダイナミックな作品もいいが、「金魚に目高」、「えびざこ」などの小品もよい。
第8章 戯画-溢れるウィットとユーモア
待ってました!のコーナー。やっぱり戯画のイメージなんですね。そして、猫のイメージ。
天保の改革で役者絵などが禁じられた結果、戯画を描くようになったらしい。
中でも、3点そろって公開がはじめてという「たとゑ尽の内」、これは貴重。前期だけなので是非!ユーモラスで見ていて飽きない。
あと、2枚セットの障子に映る影と裏側を描いた数枚がおもしろかった。アイディアですねぇ。
ポスターにもなっている「みかけハこハゐがとんだいい人だ」と「としよりのよふな若い人だ」は顔が人で構成されていて、ちょっと不気味。アルチンボルドを連想しますね。
第9章 風俗・娯楽・情報
報道メディアとしての役割を果たした錦絵。
こうして出来事が後世に残るとは。
個人的には、すご六がいいなと(やってみたい)。
第10章 肉筆画・版木・版本ほか
版木が見られるというのは貴重ですね。
この最後のパートは前後期であまり作品が入れ替わらない模様。
とても楽しい展覧会でありました。
後期も是非行かねば!
« あけましておめでとうございます | トップページ | 六本木:豆金 »
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 【特別展はにわ】(2024.11.25)
- 神代植物公園3(2024.11.19)
- 【カナレットとヴェネツィアの輝き展】(2024.11.04)
- 【英一蝶展】(2024.10.14)
- 【田中一村展】(2024.09.23)
コメント