「バベル」
本日の映画
movie-10 「バベル」 Babel 2006年米
DIR:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
CAST:ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ガエル・ガルシア・ベルナル、役所広司、菊池凛子、アドリアナ・バラーザ、エル・ファニング
STORY:モロッコでは山羊飼いの少年が謝ってアメリカ人観光客の妻を撃ってしまい、夫は助けを求めて必死になる。一方夫妻がアメリカに残してきた幼い子供たちは、メキシコ人の乳母がとともにメキシコに向かうことに。少年が持っていた銃の持ち主だった日本人ヤスジローは聾唖の娘との関係がうまくいかず悩む。
☆☆☆3つの物語が並行して進行していく映画。
菊池凛子がアカデミー助演女優賞の候補になったことで日本でも大いに話題になった。
その演技も気になるところだが・・・
題名の「バベル」はバベルの塔からきている。
はじめは同じを言葉をしゃべっていた人間が、ある時神の怒りにふれて、違う言葉を話すことになり、混乱するという、旧約聖書の物語。
この映画では、言葉が通じないことによってコミュニケーションがとれなくなる、というテーマから発展、意思疎通ができないことによる様々な混乱が描かれる。
アメリカ人夫婦は、ある出来事がきっかけで夫婦仲に大きな溝ができてしまっている。
妻が怪我をしたことにより、夫が必死に助けを求めるものの、同胞のアメリカ人たちは冷たい(国すらも)。結局、一番の力になってくれたのは、言葉の違うガイドの一家であり、まったく言葉の通じないガイドの老いた母親が力強い支えになるという皮肉。
そして、夫婦の子供たちは、かわりの子守が見つからなかったことからメキシコ人乳母とともに、メキシコへ。
ここで立ちはだかるのが国境の壁で、乳母には酷な結果が待っていた・・・
日本では、母親が自殺して以来父との意思疎通ができなくなった聾唖の娘の物語が語られる。
言葉を失ったことによるコミュニケーション不足なのだが、精神的な問題も大きく、根は深い。
この3つの物語がシンクロしながらストーリーは進むが、ひたすら重苦しい。
日本のパートでは、最後に希望が感じられるが、モロッコのパートでは希望と絶望が混じり合い、メキシコでは悲しい結末で、カタルシスは得られない。というか、そんな結末は意図はしていないのだろうけれど。
1つ1つのエピソードは力が入っているものの、ややつながりが希薄というか、どうも収まりがよろしくないのが残念だ。
話題の菊池凛子は、大熱演だが、高校生というのはちょっと厳しいか・・・
同じく候補になった、メキシコ人乳母を演じたA・バラーザの方が印象的だった。
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