【ルドンとその周辺-夢見る世紀末展】
art-12 【ルドンとその周辺-夢見る世紀末展】 三菱一号館美術館
ルドン展に行って参りました。
目玉は今回この美術館に所蔵されることになった「グラン・ブーケ」なのだけど、他のルドン作品はすべて岐阜県美術館に所蔵されているもの。
岐阜県美術館のルドンは実に250点あまりだそうで、ルドン以外の今回きている作品もすべて岐阜県美術館のものとのこと。改装に伴って大挙してやってきたらしいのだが、いやはやすごいコレクションですねぇ。なかなか岐阜県までは行けないので、これは貴重な機会。
第一部 ルドンの黒
これこそルドン!ひたすら黒い。
はじめの数作品こそ、フツーの画だったが、次の部屋に移ると黒、黒、黒。
20代前半ですでに黒だったんですね。
初の石版画集「夢のなかで」、すでにルドンのテーマがあらわれている。人の首、目玉・・・
サイコロを背負った「賭博師」も印象的。
「エドガー・ポーに」の中の「眼は奇妙な気球のように無限に向かう」、これは不気味。人の首、気球、目玉というルドンお得意のテーマの組み合わせで不思議な感じ。
このほか、人間の頭が乗った植物なんかもいくつか描かれていて、これまた不思議。
ユーモラスなのは、有名な「蜘蛛」。顔がおもしろくて、思わず笑ってしまう。
黒の時代も終わりに近づくと、次第に明るくなっていく。
そして、色彩豊かな時代へ・・・
第二部 色彩のルドン
実家の経済状態が悪化、屋敷が売却されることによって、突如黒の時代が終わりをつげる。
そして、カラフルなルドンへと変貌。パステルや油彩が並ぶ。
華やかな花の絵もあるけれど、テーマ的にはやっぱりルドンかなというものもある。
「オフィーリア」、「オルフェウスの死」などはモローっぽい感じもあり、カラフルだけれど、幻想的でもあり。
「目をとじて」もありましたね。これもいろんなパターンがあるようだけど。
そして、なんといっても「グラン・ブーケ」ですね。
思った以上に大きな作品で、部屋に入った途端、いろいろな色が目に飛び込んでくる。
パトロンの男爵の食堂を飾った絵16点のうちの1つで、残りの15枚はオルセーに所蔵されたとのこと。これらも是非見てみたいなあ。
第三部 ルドンの周辺-象徴主義の画家たち
ルドン以外の象徴主義の画家の作品もとても充実。
モローの二作品が見られたのもうれしいし、ファンタン=ラトゥールもいい。
今回新しく知ったところでは、マックス・クリンガーがとてもユニーク。
「手袋」というエッチングのシリーズもので、ストーリーが展開していくのだけど、とってもシュールなのだ。これ、全編通して見たみたい。手袋が人格を持ってるみたいで。
ムンクの「マドンナ」とか、ゴーギャンの「ノアノア」。こんなのもの持ってるんですね。いやはやすごい。
彫刻家マイヨールの油彩画というのはめずらしい。ナビ派っぽいかな。
ナビ派といえばこの人、ドニ(最近お気に入りの画家)の二枚もうれしい。
ルドン好きな方、象徴主義が好きな方は是非!
とってもいい展覧会です。
※3月4日で終了です。
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