【三都画家くらべ 京、大阪をみて江戸を知る(前期)】
art-16 【三都画家くらべ 京、大阪をみて江戸を知る】 府中市美術館
昨日、府中市美術館へ行ってきました。うちからはバスと徒歩で30分くらい。
今回の江戸絵画は、三都、つまり江戸と京都と大阪の画を比較してみようという企画。
こういう視点もおもしろいですね。前期後期にわかれ、ほとんどが入れ替わる。
江戸は理と抑制の美、大阪は深みとおかしみ、京は優雅と無限の形ということらしいが、確かに違いはあるようだ。
三都を旅する
まずは三都の紹介ともいうべき絵。
やはり自分の住んでいるところ・・・江戸の風景がなんとなくなじみがあってよろしい。
江戸東京博物館所蔵の「両国夕涼の図」は好きな絵。
花と動物
前期だけの展示。このパートを是非とも見たくて前期にかけつけたのである!(少々オーバー(笑))
京の絵はやまと絵の伝統を受け継ぎ優美、大阪では中国の画風の影響が強く、しかも簡素な表現を好み、江戸ではさらりとした表現。確かにそう解説されるとそういう気が。特に同じ題材を描いた絵を見比べてみるとよくわかる。
この中では大阪の森派の絵、猿や狸が気に入った。かわいい猿なんである。
山水くらべ
京の池大雅、長沢廬雪などが好きなのだが、今回の新しい発見としては江戸の谷文晁。かなり立体的である。西洋画の影響があるようだ。
和みと笑い
楽しいコーナーである。
笑いは確かに関東と関西では明確な違いがありますね。しかも、大阪と京都ではまったく違う。
大阪ではなにがなんでも笑わしてやろうという意気込みが・・・佐藤魚大の「閻魔図」などはぎょっとさせて笑わせるという感じだ。松本奉時の「蝦蛙図」ははみださんばかりの構図がおもしろい。
京都だと、ほのぼのした笑いだろうか。円山応挙の「時雨狗子図」はかわいらしい。長沢廬雪「なめくじ図」もいいなあ。目のつけどころが。
江戸はやっぱり国芳!このところ連続してみているが、またまた金魚づくしに出会った。江戸はシニカルな笑いといえようか。
三都の特産
京の奇抜
なんといってもインパクトがあるのは、狩野山雪の「寒山拾得図」。そして、これは絶対見なきゃ・・・伊藤若冲の「垣豆群虫図」。85年ぶりの登場だそうである。様々な虫の競演が楽しい。
大阪の文人画
岡田米山人の作品が並ぶが、やはり中国の山水画の影響が大きいようで、言われないと日本のとはわからない気もする。
江戸の洋風画
司馬江漢、亜欧堂田善。いずれも遠近法が取り入れられ、非常に奥行きのある画が多い。江戸においては西洋絵画の影響が大きかったということだろう。
後期も時間を作って行きたいと思います。
常設展示の中の小特集「江戸時代の花と動物」もお見逃しなく!
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