「ミリオンダラー・ベイビー」
本日の映画
movie-18 「ミリオンダラー・ベイビー」 Million Dollar Baby 2004年米
DIR:クリント・イーストウッド
CAST:クリント・イーストウッド、ヒラリー・スワンク、モーガン・フリーマン
STORY:ロサンゼルスのダウンタウンでボクシングジムを経営するフランキーの元を31歳の女性マギーが弟子入りを志願。いったんは追い返したものの、黙々と練習するマギーを見てとうとうトレーナーを引き受けることにするが・・・
☆☆☆☆アカデミー主演女優・助演男優賞受賞作。
ようやく観た。
ずっと気になってはいた作品なのだが、きっと重い作品なんだろうと気が進まず、とうとう今になってしまった。
そして、見終わって、やはり重くつらい作品だった。でも素晴らしい。
先に「グラン・トリノ」を映画館で観たのだが、共通する重さである。
昔の監督作品は純粋な娯楽作品が多かったし、はじめに監督賞・作品賞を取った「許されざる者」はそれほど感心はしていなかったが、今世紀に入ってから非常に重厚感のある人間ドラマを撮るようになったと思う。名監督の域に入ってきましたね。
演技者としては引退してしまったのがとても残念で、まだまだ出てほしかったのだが、監督と出演両方は大変ってことでしょうか。
音楽はやってるけど・・・
この映画でも音楽を担当しているが、これまたいいんですね。うるさくなくて。
さて、物語は、13の時からウェイトレスで生計をたて必死に生きてきたマギーが、最後のチャレンジとしてボクサーをめざし、女性ボクサーはとらないと一旦は断った老トレーナーのフランキーとともに、チャンピオンを目指すというもの。
マギーの家族は、マギーの稼ぎをあてにし、母親などはマギーが家をプレゼントすると生活保護が打ち切られるじゃないかと怒鳴る・・・(さらにひどい扱いをする家族たち・・・)という具合に家族にめぐまれない。
他方、フランキーは、ひたすら娘に手紙を書き続けるものの、すべて受け取り拒否で戻ってくるという親子断絶の悲しみを抱えた男。
こんな二人が次第に師弟を超えた絆で結ばれ、次第にチャンピオンへの階段へと登っていくのだが、イーストウッド映画だからこれで終わるわけはない。
後半はがくんと落とされる。
はじめから暗いトーンは流れてはいたけれど、これほど落とされるとは・・・
あまりにつらい。
救いのない映画とみるか、マギーのほほえみが救いとみるか・・・難しい。
H・スワンクは渾身の演技、対するM・フリーマンは静かな演技。
イーストウッドも素晴らしい。
見終わってもいろいろと考えさせられる映画でありました。
圧倒されました。
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フランキーとマギー、親子に似た絆が出来ましたね "常に自分を守ること" を教訓を教えたり レモンパイの話 マギーの死んだパパと飼っていたワンちゃんのエピソード等
「愛する者よ、お前はわたしの血だ」 "モクシュラ"意味が重いです。自分の分身じゃなければ言えない内容ですね。
それに ひきかえ ミズーリに住んでいるマギーの家族はひどい。
家を買ったのに 見向きもしない。 マギーの家族たちはマギーが光輝いていた"闘士"の姿を見ようとしなかった・・その姿が ホントの"ミリオン・ダラー"なのに
「あとは 残ったものを しっかり 守らないと・・・」だと(怒り) ホントに 守らなけれはならないのは マギー だろうが(`Ш´) そんなマギーに 「恥さらしもいいとこ」とか「負けは負けだろ」とか ・・・
マギーを最後まで守ったのは トレーナーのフランキーだけ。 彼女の尊厳を守るための 安楽死・・・悲しかった
投稿: zebra | 2012/06/24 22:21
zebraさん、コメントありがとうございます。
家族ってなんだろうって思いますね。血のつながりのある家族の冷たいこと・・・
血のつながりのないフランキーの方がよっぽどマギーのことを考えています。
ラスト、ホントに悲しかったです。
投稿: nocci | 2012/06/24 23:25