【ピラネージ『牢獄』展】
art-20 【ピラネージ『牢獄』展】 国立西洋美術館
ユベール・ロベール展を見た後、常設コーナーの一番奥にある版画素描展示室にて、ピラネージ『牢獄』展へ。
ロベール展にも展示のあったピラネージは18世紀イタリアの版画家。
なかでも、この版画連作集『牢獄』が有名とのこと。
今回は、第一版と第二版を並べて展示。
第一版と第二版の違いは、出版者の違いというのもあるが、二版では二枚増えており、さらにかなり描きくわえられた部分がある。
それほど改変のないものもあるが、相当変わっているものもあり、見比べるのはおもしろい。
第一版は線が単純で、色合いも薄く、シンプル。
第二版は線が複雑になっており、陰影がくっきりとしていて、図柄が細かい。
牢獄といっても現実の場面ではなくて、空想の世界であって、寓意的な感じもある。
第二版を出版した動機は諸説あって、古代ローマの雰囲気を出したかった、新作として出し直したかった、パトロンの貴族への非難の意をこめた・・・
今となってはどれが真相かわからないのだけど、二つの版があるというのは、後世の者としてはおもしろい。
見れば見るほど不思議な感覚に囚われる版画集、是非ロベール展とともに!
上野の桜はかなり葉が出てしまってました。

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