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2012/05/01

【大エルミタージュ美術館展 世紀の顔・西欧絵画の400年】

art-24 【大エルミタージュ美術館展 世紀の顔・西欧絵画の400年】 国立新美術館

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午前中(といっても昼だったけど)セザンヌ展を見て、食事をはさんで今度は2階のエルミタージュ美術館展へ。
いや、エルミタージュに大がついてましたね。最大級のということでしょうか。

セザンヌより混んでいてやや見にくいところもあったけれど、大きな作品が多いからOK。

エルミタージュ美術館は1000室もあり(公開されているのは半分以下だが)、300万点を超える所蔵品があるということで、こういう美術館の展覧会って企画が難しいだろうなあ。
どこに焦点をあてるかなのだが、今回は、かなり網羅的。16世紀から20世紀までくまなく揃えた展覧会だった。なんでも、今回きたのは通常常設展示されている作品とかで、超ダイジェスト版ではあるが、エルミタージュの雰囲気は十分味わえる。

Ⅰ 16世紀 ルネサンス:人間の世紀
はじまりは16世紀のルネサンス芸術から。
ティッツィアーノ、ティントレット、ヴェロネーゼ・・・
イタリアでたくさん見てきた画家が並ぶ。
当然宗教画が多くなるが、ギリシャ神話も。キューピッドの絵が多いのはなぜだろう?
それと、パッと目に飛び込んできたのが、ダ・ヴィンチ派の「裸婦」。先日、ダ・ヴィンチ展でたくさん見た絵だ!女性なんだけれど、男性的な要素もあわせもつなんとも不思議な人物像。先日見たのと同じかと思って、帰って調べてみたら違いました。

Ⅱ 17世紀 バロック:黄金の世紀
ルーベンス、ヴァン・ダイク、レンブラント、ヤン・ステーン、テニールス、ライスダール。好きな絵ばかり。
ルーベンスの「虹の風景」はちょっとルーベンスのイメージと違う。
レンブラントの「老婦人の肖像」はごつごつとした感じがリアル。
ヤン・ステーンの「結婚の契約」は、らしい風俗画。
テニールスの「厨房の猿」は寓意画だろうか。単に猿を描いた絵ではないみたい。
一番印象に残ったのは、セーヘルス、ボスハールトの「花飾りに囲まれた幼子キリストと洗礼者ヨハネ」。花の絵かと思うと中心にキリストとヨハネ。こんな絵、はじめて。

Ⅲ 18世紀 ロココと新古典派:革命の世紀
優美なロココからアンチテーゼとしての新古典派まで。
ここにもまたキューピッドが!ロココの代表ブーシェの2枚だが、ちょっとキューピッドが怖い。
もっと怖いのは、ヴェルネの「死の天使」。退廃的なムードも漂う。
先日見たユベール・ロベールの絵も一枚。やっぱりいいなあ。
そして、はじめて知ったのは、フランスの哲学者ヴォルテールが絵かテリー名2世の文通相手だったということ。そのヴォルテールの日常生活を描いたシリーズのうち2枚があったが、ちょっとユーモラス。

Ⅳ 19世紀 ロマン派からポスト印象派まで:進化する世紀
ドラクロワからコロー、ルソー、シスレー、ルノワール、モネ、セザンヌ、ドニ、ボナール、シニャックまで。一番日本では人気がありそうなコーナー。
コロー、テオドール・ルソーといったバルビゾン派の絵は落ち着きますね。
モネの「霧のウォータールー橋」は周囲にとけ込みそう。柔らかな色彩がいい。
そして、ここにもあったセザンヌの「カーテンのある静物」。午前中にさんざん見たセザンヌの静物画だが、どれもいいなあ。
昨年パリ郊外の美術館に行って以来ブームのドニの「母と子」。画家のやさしいまなざしが感じられる絵。
シニャックは鮮やかな色彩が印象に残る。

Ⅴ 20世紀 マティスとその周辺:アヴァンギャルドの世紀
アンリ・ルソー、ドラン、マルケ、マティス、ピカソ、デュフィ。
アンリ・ルソーは好きなので、1枚見られたのはうれしいが、この部屋で一番目立っていたのは、やはりポスターにもなっているマティスの「赤い部屋」だろうか。それこそ赤が目にパッと入ってくる。東京では30年ぶりの展示とのことだが、これは必見!
ピカソの「マンドリンを弾く女」は、まだまだ完成していないキュビズムという感じ。
ラスト、デュフィの「ドーヴィル港のヨット」は明るい色調で楽しくなる絵。

300万点の中のたった89点ではあるが、エルミタージュのコレクションのすごさは十分伝わってくる展覧会。
こういった総覧的な展覧会もいいものですね。

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