【近代絵画の開拓者 高橋由一展】
art-31 【近代絵画の開拓者 高橋由一展】 東京藝術大学大学美術館
久々の回顧展だという高橋由一展に行って参りました。
結構な人の入り。雨だったんですけどね。
プロローグ 由一、その画業と事業
オープニングは由一のちょんまげ姿の自画像から。なかなかインパクトのあるお顔。
ずっと明治を代表する洋画家と思っていたのだけれど、江戸の時代の人だったんですね。
1.油画以前
洋画家高橋由一もスタートは墨絵。
まだまだこの頃だと、イメージがわかない。
この中で気に入ったのは猫図。
2.人物画・歴史画
由一の人物画はかなりリアル。というかリアルすぎてちょっと怖い。
重要文化財である「花魁」もしかり。描かれた本人がこんなじゃないと泣いたそうだけれど、実際に写し取るとこんな感じだったのかもと思わせる。
うーん、しかし、大久保利通とか岩倉具視、ちょっと寸詰まり感が・・・
3.名所風景画
由一というとあまり風景画というイメージはなかったのだけれど、案外いい。
構図がおもしろい。いくつかの江ノ島図、どれも同じ構図。
2枚の鵜飼図もなかなか。
「芝浦夕陽」はかなり西洋風で、ちょっとベネチアを連想したりする。
4.静物画
しかし、やはり由一は静物画ですね。
「鴨図」、「鯛図」のリアルさ。
京都のみで公開されるという「豆腐」も見てみたかったなあ(写真のみで見ました)。残念。
しかししかし、ここでの見ものはなんといっても鮭。3つ並んだ鮭、壮観。
真ん中の鮭が切手になり、教科書にも載ってる鮭だが、はじめて実物を見た。うろこの感じがさすが。身もおいしそう。
左は山形にあるもので、鮭の向きが違う。本家、鮭より少しラフな感じ。
そして、右は笠間日動にあるもの。何年か前、笠間日動に行った際、鮭を見て本家だとばっかり思ってたのだが、実は見たのはこの板に描かれたこれだったのだ。これが一番身がそがれているし、一番小さい。
うーん、しかし鮭って何点もあったのは衝撃でした。
5.東北風景画
明治に入って一時期洋画がすたれかけた時に、山形県令だった三島通庸の要請で、東北各地で行われた土木工事の記録画がたくさん。
軽く描いたスケッチ風だけれど、これは貴重な記録画である。
こんなに一気に高橋由一を見たのははじめてだったが、充実の展覧会。鮭3点を是非!
24日まで。
金刀比羅宮の美術館には由一作品が27点もあるそうで。ここも是非行ってみたい。
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