【ジェームズ・アンソール展】
art-43 【ジェームズ・アンソール展】 損保ジャパン東郷青児美術館
山種、Bunkamuraをめぐり、昼食をはさんで新宿に移動、最後は損保ジャパン東郷青児美術館である。
アントワープ王立美術館が改修中ということで、ごそっと貸し出してくれたもの。
この美術館、もっともアンソールの作品を所蔵している美術館なんですね。
ベルギーを旅行したのは、4年前。アントワープに行った際、この美術館は訪れているのだが、確かにアンソールやデルヴォーなどを見た記憶はあるものの、どちらかというと、ルーベンスが充実してたなあという記憶の方が鮮明で・・・
ふーん、そんなにたくさんあったんですね。
で、アンソールというと、骸骨や仮面というイメージがどうしてもあるのだけれど、この展覧会を見てびっくり!初期は写実的な絵画を描いていたのである。
章立てはシンプルに2つ。
第1章:写実と半アカデミスム
アカデミーでは古典的な描き方を学んだ・・・というか、描かされたというか、非常にオーソドックスな絵ばかり。
その後、故郷オステンドをはじめとした外の風景を描き・・・(暗い絵が多いけれど悪くない)
続いて、静物画や肖像画へ。同時代の画家の絵と比較しながらの展示だが、このあたりは、あまり作風が定まっていないようにも思える。牡蛎、エイなどの静物画はなかなかよいが。
さらに描いているのが、風俗画というか、人々の生活である。
当時の生活がかいま見えておもしろいが、「牡蛎を食べる女」などは、かなりカラフルで、その後のアンソールを予感させる。女性が食事をしている様子は当時描かれなかったということで、当時は大変不評だったらしい。この当時もまだそんなことが言われていたとは・・・
第2章:グロテスク絵画に向けて
いよいよ、ワタクシが知っているアンソールの絵が登場。
「絵を描く骸骨」、そして「首吊り死体を奪い合う骸骨たち」。見れば見るほど不気味だが、ついつい恐いもの見たさで見てしまうというか。
初期に較べて、ぐんと色彩を増していることが、余計にグロテスクさを強調している・・・
仮面をかぶった顔が並ぶ「陰謀」も気持ち悪いが、いずれにしても、グロテスクさと滑稽さは紙一重というか、だんだんユーモラスさも感じられるのが不思議。
光の表現はレンブラント、輪郭線はルーベンスなど、奇怪なモチーフは初期フランドル絵画などの影響を受けているとのことで、並んで飾られていると確かにそうかもと思う。
その中で、ピーテル・ブリューゲル(子)の「フランドルの諺」が見られたのはうれしかった。少し毒のある絵が楽しい。
こうなると、ポール・デルヴォー展も行ってみなければ!
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