三浦しをん『舟を編む』
本日の本
STORY:玄武書房営業部から辞書編集部に迎えられた馬締光也は、仲間とともに新しい辞書
「大渡海」を作り上げていく。問題山積の辞書編集部だが、辞書はできあがるのか・・・
☆☆☆☆☆2012年本屋大賞受賞作。
小説はミステリー以外はほとんど読まないワタクシであるが、これは読みたいと思っていた。
まあいろいろと理由はあるのだけど、まずは出版社が舞台であるということ、そして、辞書作りの話だということなど。
そして、期待に違わず、とてもおもしろかった。
登場人物がいきいきとしているんですね。
主人公の馬締は、世間的には変人だが、辞書作りにかける情熱は誰にも負けない人物。ちょっと不器用な愛すべきキャラ。恋人もまた変わっているけれど、料理にかける情熱は人一倍。
登場してすぐに別部署に転出してしまう、ちゃら男の西岡も、読み始めはなんだこの男と思うものの、案外いいやつで・・・
出てくるキャラがみんなキラキラと光っていて、読んでいて心地いいんですね。
完成まで15年あまり、後半、ぽんと時代が飛ぶのだけれど、こつこつと舟を編むように少しずつ作られていく言葉の辞典。悲しい出来事もあったりして、ラストはぐっときますねぇ。多くの人の情熱でやっと完成する辞書。感動。
自分まで何かをやり遂げたような感覚になります。
今年一番の本だな。
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