【メトロポリタン美術館展】
art-49 【メトロポリタン美術館展】 東京都美術館
雨の中、メトロポリタン美術館展に行って参りました。
結構混んでいて、背伸びしつつ鑑賞。
メトロポリタン美術館は、200万点も所蔵しているそうだが、今回は自然をテーマに133点が来日。いつか行ってみたいなあ、メトロポリタン。
第1章 理想化された自然
さすが、メトロポリタン、今回はアメリカの画家の作品がたくさんきていた。考えてみると、アメリカの画家ってあまり馴染みがないから、いい機会でしたね。
ここにもトマス・コールという画家の「キャッツキル山地の眺め」という作品があったが、風景もやはりヨーロッパとは違う。
レンブラントの「フローラ」、パッと見は言われないとレンブラントとはわからず。近づいて見ると、光と影がそういわれるとレンブラントかなあと思う程度。きれいな作品ですが。
他に印象に残ったのは、プサンのミダス王の絵など。
第2章 自然の中の人々
2-1では、聖人、英雄、自然の中の人々と題しており、ちょっと無理矢理感もあるというか、並びがおもしろいというか。ティントレット、ヤン・ブリューゲルときて、まあドラクロワはわかるとしても、いきなり隣にゴーガン!
ヤン・ブリューゲルがこんな絵を?と思ったら、花のブリューゲルと言われているのは、父の方でしたね。ややこしい。子の方は寓意画や風景画を描いたそうで、今回きているのは「冥界のアエネアスとシュピラ」。冥界が描かれており、ちょっと不気味な絵である。
ドラクロワの「嵐の中で眠るキリスト」は、暗い色調で、なんとなくジェリコーの筏を連想させる。
その隣にゴーガン(笑)。色彩が鮮やか、かつベタと描かれていて、やっぱり不思議な並びだ。
2-2は狩人、農民、羊飼いがテーマ。
気に行ったのは、ヤン・フェイトの「ヤマウズラと小さな獲物の鳥」。こういう静物画が好きなんだな。
ブルトンの「草取りをする人々」は、並んで草取りをする様子がまるで落ち穂拾いみたい・・・と思ったら当時からそう言われていたようで。
そして、隣はミレーの「麦穂の山:秋」で、のどかな光景がいい。
ゴッホの「歩きはじめ、ミレーに拠る」。いかにもゴッホだが、明るい絵。ゴッホには種まく人もあったっけ。
第3章 動物たち
この章は楽しい!
カバ、馬、牛、羊、豹、熊、ライオン・・・
猫の小像は気品があってよいが、なんといっても楽しみにしていたのは、ポンポンのシロクマである。
いくつもあるシロクマだけれど、きているのはどんな大きさのかなあと思ったら、案外ちっちゃいの。オルセーのが一番大きいのかな?あ、でもかわいらしいですねー、このサイズ。もうちょっとちっちゃなのが欲しいなあ。
第4章 草花と庭
織物、ガラス、陶器・・・
この章は絵は少なかったですね。
ティファニーがガラス製品をいろいろ作っているというのをはじめて知った。
ガラスというとガレかと思いきや・・・ガレの作品であったのは、飾り棚。これはこれでとてもガレらしい。
ルドンの「中国の壁院に活けられたブーケ」が一番印象に残った。鮮やかな色彩で描かれたルドンの花の絵もいろいろあるけれど、この色は今まで見たことがなかったような・・・
第5章 カメラが捉えた自然
写真の展示も。
あまり興味がなくて足早に。
ヒヒの写真はユーモラスでおもしろかったけれど。
第6章 大地と空
6-1は森へ。
ここに目玉のゴッホ「糸杉」。一番混んでる箇所。
うねりながら、高くそびえる杉と、うねる雲と山。インパクトのある絵。初来日とか。
このあたりは、ゲインズバラ、コンスタブルなど好みの作品が並ぶ。
アンリ・ルソーの作品も不思議でシュール。あんな木、パリにはないよね。
6-2は岩と山。
バルテュスの絵もあいかわらず不思議(だけどついつい見ちゃう)だけど、強烈だったのは、アメリカの画家ハートリーの「カターディン山、メイン州、2番」。赤が強烈。片岡球子かと・・・
6-3は空。
ライスダール「穀物畑」、牧歌的でいい。
かと思えば、ホッパー、オキーフが並んでいたりして。
ホッパーの「トゥーライツの灯台」は空がとってもきれいなのだけど、どこか寂しげ。
オキーフの「骨盤Ⅱ」。遠くからぐっと目に入ってきた作品だが、動物の骨だったんですね。いや、これ気に入った。
第7章 水の世界
7-1は水の生物。
お皿、壺、花瓶などが並ぶ。カエルとロブスターの作品がいいな。
7-2は海と水流。
ラストのコーナーも充実。
おお、懐かしやユベール・ロベールが。廃墟のロベールの展覧会、春に行ったなあ。
そして大好きなカナレット。ヴェネツィアの風景。後ろを振り向くと、そこにはターナーの描いたヴェネツィアが。
セザンヌの「レスタックからマルセイユ湾をのぞむ」、とびきり明るいヴラマンクの「水面の陽光」もいい。
自然というテーマでまとめたのはなかなか新鮮な切り口でおもしろいですね。こういうのもありだなと。
また何度もきてほしいですね、メトロポリタン。
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