ヨハン・テオリン『黄昏に眠る秋』
本日の本
book-43 『黄昏に眠る秋』 ヨハン・テオリン著 ハヤカワ・ミステリ
STORY:エーランド島で、霧の中に消えた少年。20年以上たって、少年が履いていた靴が祖父の元に送られてきた。母ユリアは帰郷し、疎遠だった父と真相に迫る。
☆☆☆☆スウェーデン産ミステリ。
スウェーデン南東部の島が舞台。
雰囲気がいいですね。
荒涼とした台地、濃い霧、冷たい雨・・・
過疎化が進んだ村。
はじめから寂しい雰囲気を漂わせる。
前半はなかなかストーリーが展開しない。
祖父イェロフと母ユリアが少年失踪の謎を解こうとする現在のパートと、少年失踪の鍵を握ると思われる村の鼻つまみ者ニルス・カントの過去のパートが交互に語られるのだが、いったいどうこの2つの物語がまじわるのかがなかなか見えないし、ホントにゆったりとペースでしか進行しない。まるで、イェロフの体が不自由なのにあわせてるかのよう。
ところが6割方進んだところで、一気にストーリーが展開していく。こうなると、ページをめくる手も早くなりますね。
そして、きっとこういうことだったのだろうなあとほぼ確信したところ、さらにもうひとひねり。なるほどと感心したのだが、ラスト直前、さらにさらにひねりが入る。
これは想像しなかった展開。
うーん、でもこれは悲しいなあ。そうはなってほしくなかったというか。感情移入してしまったところでそうくるとは。
しかし、最後にはほっとする場面も用意されていて、決して悲しいだけでは終わらないところがいい。
やっぱり北欧ミステリー、いいな。
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