【フランシス・ベーコン展】
art-10 【フランシス・ベーコン展】 東京国立近代美術館
アイルランド生まれ、ロンドンで活躍したフランシス・ベーコン展、初日に行って参りました。10時5分入場。
初日なので混んでるかなと思ったけれど、それほどでもなかったです。
1 移りゆく身体
ベーコンは、1944年の作品をデビュー作として、それ以前の作品を破棄したとのことで、1940年代の作品は20点未満だそう。
今回は3点展示。
一つめの作品は「人物像習作Ⅱ」。叫ぶような、人間とも他の動物ともとれるものが描かれている。
叫んでいるような顔というのはこの年代のテーマなのか、たくさんあった。
1950年代にいくつか描いたという教皇シリーズにもある。この教皇シリーズは、ベラスケスの「インノケンティウス10世の肖像」に基づいているらしい。
そして、この時代のもう一つの特徴は、閉じこめられた空間であること。四角い枠の中に閉じこめられたかのような人物像がたくさん描かれていた。
1950年代には他にもシリーズものがあって、一つはファン・ゴッホ。ムンクみたいなシュールさがある。そして、スフィンクスも。今回、4点が展示されていたが、1点見たことがあると思ったら、この美術館の所蔵であった。
2 捧げられた身体
1960年代になると作風が変化。変わったポーズの身体が描かれるようになる。
不思議なねじれ、歪み。
「ジョージ・ダイアの三習作」(ダイアはベーコンの恋人だった)や、「ルシアン・フロイドの肖像のための三習作」の顔も激しく歪んでいる。
先日、池田20世紀美術館で見たばかりの「椅子から立ち上がる男」もあった。
3 物語らない身体
1970年代以降、ベーコンの作風はさらに変わる。
シュール度が増してるんですね。
三幅対がたくさん展示されていたが、3つの絵が関係があるのかどうなのか、連続性があるのかないのかわからない。見る人によってかなり感想がかわりそうだ。
4 エピローグ:ベーコンに基づく身体
2章でも土方巽の舞踏の映像があったが、ここではドイツの振り付け家であるウィリアム・フォーサイスの舞踏の映像で締めくくられる。
なるほど、ベーコンのねじれた身体を実際に表現するとこうなるのか・・・
ワタクシ的には暗いけれど、初期のベーコンの方が好き。
でも晩年までの作風の変化が見られておもしろい展覧会でした。
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