【ルーベンス展】
art-12 【ルーベンス展】 Bunkamuraザ・ミュージアム
【ミュシャ展】を見終えて向かったのは渋谷。もう夕方だったということもあって、人が多いこと。この美術館はいつもたどりつくまでにへとへとになってしまう・・・渋谷、苦手。
で、見たのは【ルーベンス展】。アントワープで行った美術館が懐かしい。
自画像からスタート。自画像からのスタートって多い気がする、最近・・・
イタリア美術からの着想
ルーベンスは若い頃イタリアで修行したという。
ここで、早くもポスターになっている「ロムルスとレムスの発見」が登場。日本初公開。
ローマを建設したとされる神話上の王ですね。ロムルスとレムスがひときわ輝いているが、躍動感のある絵である。
これまた初公開のティツィアーノの「毛皮をまとった婦人像」は、いい出来で、ルーベンスがすぐれた技術を持っていたことがわかる作品。
ルーベンスとアントワープの工房
母の死をきっかけにアントワープに戻ったルーベンスは大公の宮廷画家となり工房を構える。
いやはや、これだけの作品数、とても一人ではこなせませんよね。しかし、工房の画家はみなレベルが高く、工房作品でもルーベンス一人が描いた作品と遜色ない出来のものも多い(嫌な注文者にはわざと出来のよくないものを売ったとか・・・やるね)。
工房作品では、「アッシジの聖フランチェスコ」や「聖母子と聖エリザベツ、幼い洗礼者ヨハネ」などがいい。
ルーベンス作品では一番気に入ったのは、「眠る二人の子供」。亡くなった兄の子供たちを描いたとされているが、とってもかわいい。子煩悩だったというルーベンス、愛くるしく子供を描くのがうまい。去年リヒテンシュタイン展で観た女の子の絵もかわいかったなあ。
フェリペ4世の狩猟館を飾る板絵の半分を描いたという板絵のうち、6作品がきていたが、これがまたいいのだ。全部見てみたい。
ルーベンスと版画制作
ルーベンス原画の版画がたくさん。ルーベンスは厳しく版画制作を監督したようで、なかなかに緻密な出来である。
「キリスト降架」はアントワープ大聖堂にある祭壇画を原画とする作品だが、反転しているものの、非常に細かくいい出来。
風景画も何枚かあったが、やはり聖書の物語を基調とした作品の方がいいなあ。
好きな作品は「奇蹟の漁どり」(ラファエロ原画のも展示されていて甲乙つけがたい)、「ソドムを去るロトとその家族」、「ホロフェルネスの首を切り落とすユディット」(ちょっと恐いが)など。
工房の画家たち
ルーベンス工房出身の画家もたくさんいるが、一番有名なのはアントーン・ヴァン・ダイクだろうか。かなり、ルーベンスの影響が大きい画家と思うが、師匠より優雅で繊細だとか。「悔悛のマグダラのマリア」、これはかなりルーベンス似かと。
ヨルダーンスは工房の画家ではないが、外注で描いたとか。「羊飼いの礼拝」は光の表現が美しい。
専門画家たちとの共同制作
ルーベンスはブリューゲル、スネイデルス、ウィルデンスらと共同制作も行ったという。
この展示会では共同制作の作品はあまりなかったのが残念。スネイデルスとの共同制作「熊狩り」は人物はルーベンス、動物はスネイデルスだろうか、いいコラボである。
スネイデルスの作品「猟犬に襲われる猪」はリアルで迫力がある。
ヤン・ブリューデル(子)の「エヴァの創造の見える楽園の風景」はブリューゲルらしい風景が広がる。やっぱりブリューゲルはいいな。
ルーベンスだけにとどまらない今回の展覧会、視点がかわっていつものルーベンス展とは違ってましたね。是非!
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