【木村荘八展】
art-16 【木村荘八展】 東京ステーションギャラリー
リニューアルオープンした東京ステーションギャラリーに行って参りました。
なかなかモダン、そして、思ったより広い。
木村荘八というと、近代美術館にある墨東綺譚の挿絵画家というイメージだったのだが、今回の展示では初期から晩年までバラエティにとんだ作品が展示されている。
1.西洋美術への憧憬
ごく初期の荘八の絵は、ゴッホっぽい?
太い線にどぎつい色彩は野獣派っぽくもある。このあたりはあまり個性は出ていない感じだ。
2.劉生とともに
その後荘八は岸田劉生と知り合い、大きな影響を受ける。
確かに、このあたりの絵は劉生の絵にかなり似ている。
そして、この人、自画像好き?(笑)自画像が多いな。
3.春陽会の時代
やがて、荘八は劉生とは別の道を歩むことになる。
チラシにも載っている、実家の牛肉店を描いた「牛肉店帳場」、活気のある「新宿駅」や「浅草寺の春」などは、油彩画の代表作で、風俗画としてなかなかにおもしろい。「浅草寺の春」に描かれた人々を一人一人観察すると、中には不思議な人物も描かれていたり。
このパートは第一の見所である。
4.文学・演劇・芸能と美術
挿絵の仕事が増えていった荘八の代表作はなんといっても「墨東綺譚」。
ワタクシ、この小説はあんまり好きじゃないのだけど、挿絵はいいんだなあ。さらさらっと描いたように見えて、結構細かく緻密で、小説の雰囲気にもよくあっている。是非、他の挿絵も見てみたいものだ。
「東京繁盛記」の挿絵・・・当時の東京の風景を切り取ったものだが、これまた味わいがある。
このパートが一番見応えがあった。
5.窓からの眺め
荘八は挿絵画家として名声を得た後も、油彩画を描いており(挿絵画家としてだけもてはやされるのは嫌だったようだ)、最後に並ぶのは窓から見た風景画だった。
が、正直なところ、油彩だったらば、春陽会の時代の画の方がずっとよいと思う。最後に描きたかったのが風景画だったのもかもしれないが・・・
新しくなったステーションギャラリーに是非!
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