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2013/04/02

マーティン・ウォーカー『緋色の十字章』

本日の本

緋色の十字章 (警察署長ブルーノ) (創元推理文庫)
book-11 『緋色の十字章』 マーティン・ウォーカー著 創元推理文庫

STORY:静かな村サンドニで、残虐な殺人が。戦功十字章を授与された英雄が腹部を裂かれ、胸に鉤十字を刻まれて殺害された事件の捜査にあたるのは、村でたった一人の警官ブルーノだった。

☆☆☆フランスの田舎町を舞台とした警察小説。

サンドニが舞台と聞いて、てっきりパリ近郊の町だと思いこんでいたのだが、このサンドニはフランス南西部、ラスコーの洞窟のそばらしい。
というわけで、牧歌的で、静かな村の様子から物語ははじまるが、アルジェリア人の移民である老人の凄惨な死体が発見される・・・
老人は、ベトナムやアルジェリアでフランスのために戦って勲章を授与された英雄。
ナチスの鉤十字が胸に刻まれていたことから、人種問題、民族問題にかかわる殺人と目され、国家警察が乗り出す事態となる。

外国の警察組織ってあまりよくわからないのだけど、このお話でも、国家警察やら憲兵隊やら予審判事やらいろいろと入り乱れて複雑。
そんな中、捜査に加わるのがこの村のたった一人の警官にして警察署長のブルーノ。39歳独身のブルーノは村のお偉方からの信頼あつく、女性にはモテモテのいい男(笑)。
容姿はともかく・・・いや、ホントいいやつなんである。
そして、なんともうらやましい生活(こんな事件さえなければ)!
手作りの家に住み、畑を耕し、お酒やソーセージを作り、休日は子供たちにスポーツを教える。
すっかり村の生活にとけ込んでいるブルーノの捜査の武器はなんといっても、地元の情報網。
この事件もじわりじわりと核心に迫っていく。

事件の真相はとてもつらいもので、明るみにでれば、さらに村を混乱に陥れることになる。
そこでブルーノが下した決断とは・・・
重い決断だが、それできっとよかったのだろうと思えるラスト。

真相に至るまでが決して短くはないのだが、この村の雰囲気が素敵で楽しめる。

次作も読もう。

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