【奇跡のクラーク・コレクション展】
art-18 【奇跡のクラーク・コレクション展】 三菱一号館美術館
三菱一号館美術館で開催中の展覧会へ行って参りました。
クラーク美術館は、アメリカ、マサチューセッツ州にある美術館だが、今までまとまった貸し出しはなく、今回増改築に伴う巡回で日本へとやってきた次第。これは貴重な機会ですね。
Ⅰ.印象派への道 コローとバルビゾンの画家たち
コローからスタート。
一枚目のコローはコローらしくない絵だったが、サンタンジェロやポッロメーオ諸島の絵などイタリアの絵は美しい。
ミレーの「羊飼いの少女」は、番をしながら編み物をしている少女の様子が描かれていて、ほのぼのとした感じ。ミレーとしては明るい絵だ。
次の間では船がテーマの絵が3枚。このモネは今ひとつぴんとこず、ブーダンが一番よかったかな。
Ⅱ.光の画家 印象派の画家たち
クラーク夫妻は、印象派、特にルノワールが大好きだったようで、なんと今回もルノワールが22点もきている。
まずはモネ。
モネは大好きで、どれもいいのだが・・・
「エトルタの断崖」の光もいいな。でも一番気に入ったのは、「小川のガチョウ」。これって、ジヴェルニーの家なのだろうか?こんな場所、あったろうか。
ピサロの淡い感じもいいですね。
で、ルノワールだが、あまり印象にない風景画や静物画も。
「日没」は、モネの「印象、日の出」みたいな感じだったが、「ヴェネツィア、総督宮」などは涼しげな色彩で、一瞬別の画家の絵かと。
静物画では「玉ねぎ」がなかなかよろしい。
まあしかし、ルノワールといえば人物画で、どれもよかったのだが・・・
好みからいうと、「劇場の桟敷席」とか「うちわを持つ少女」(日本ぽい)とかだろうか。
Ⅲ.伝統と革新 アカデミズムの画家たちへ
この章はあまりなじみのない絵だった。
ジェロームの「蛇使い」、「奴隷市場」などはこの頃のヨーロッパ人の趣味だろうか、エキゾチックな絵。ブグロー「座る裸婦」もなんとなはなしにオリエンタルな雰囲気が・・・
菊にいろどられたティソのその名も「菊」は、ドレスの黄色といい、菊の色といい、パッと眼には飛び込んでくるものの、なんか落ち着かない絵である。
というわけで、この章はちょっと異質な感じだった。
Ⅳ.光の画家 印象派の画家たち
Ⅱの続きで、ここからは2階に降りる。
シスレー、ピサロと続くのだが、どちらも好きな画家。
風景画が好きなのかも・・・
雨、雪、煙、川、雲などが効果的に描かれている。
Ⅴ.ドガ 個展と印象派をつなぐ画家
馬、踊り子といえばドガ。
「レースの前」の360度全方向から描かれた馬の構図もおもしろいが、踊り子を描いた「稽古場の踊り子たち」もまた構図のおもしろさが際だつ。横長の画面で、左前は大きくあいており、上の方は切れているのだが、その効果か、躍動感があるのだ。
Ⅵ.印象派からポスト印象派へ
ここにもまたルノワールがたくさん。
画面いっぱいに描かれた「芍薬」はゴージャス。
「頭部の習作」はかわいらしく・・・
「縫い物をするマリー=テレーズ・デュラン=リュエル」も好きな作品。
ラストは、大好きなボナール、「犬と女」でしめくくり。ボナールも追いかけている画家の一人なのでうれしい。
とっても充実した展覧会です。
印象派好きな方はこれを逃してはいけません。是非!
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