【オディロン・ルドン 夢の起源展】
art-19 【オディロン・ルドン 夢の起源展】 損保ジャパン東郷青児美術館
昨日、仕事がお休みだったので、ルドン展に行って参りました。
ルドン展というと、昨年、三菱一号館美術館が「グラン・ブーケ」を購入した記念に開催された展覧会に行ったばかりだが、今回は、ボルドー美術館所蔵の作品もきているというので行くことに。
第1部:幻想のふるさとボルドー
ボルドー生まれのルドンが若い頃に影響を受けた画家等の作品からスタート。
ルドンがはじめに学んだという、スタニスラス・ゴランが3枚。風景画家かな?今では忘れられた画家となってしまっているらしい。
ブレスダンは放浪の版画家で、ルドンはかなり大きな影響を受けたことがわかる。ブレスダンの版画の方が細かくて、かなり近くまで寄ってみないと細部までわからない。繊細な作風、なかなかよい。
そして、植物学者のクラヴォーもルドンに影響を与えた一人。植物の素描が並んでいたが、確かに、ルドンの奇妙なモチーフはこんなところからきているのかも。
黒の画家として有名だったルドンだが、その当時も色彩画は描いていたそうである。主に風景画が並んでいたが、ルドンというとあまり風景画のイメージはなかったので新鮮。
第2部:「黒」の画家
やはり、ルドンというとこのイメージ、黒。
石版画集「夢のなかで」と「エドガー・ポーに」は昨年も見たが、今回は他にもたくさんあった、かなりの充実度。
ルドンに影響を与えた植物学者のクラヴォーの自殺後、創られた石版画集「夢想」はクラヴォーに捧げられているし、「悪の華」や「エドガー・ポーに」もおそらく、本好きだったクラヴォーに触発されたものではないかと思う。クラヴォーの影響はかなり大きい。
ゴヤはスペインから亡命してボルドーに住んだとのことで、「ゴヤ頌」という作品集も。黒という色で共通するものがあるのかも。
ルドンの画は、幻想的というか、奇妙なものが多くて、すべてに意味を求めるのは無理なのだが、いったいなんなんだろう?と思わせるところがいいんですね。解釈は人によって違うだろうし、見る時によっても違うし。
チラシ、チケットになっている「蜘蛛」もこちらに。これはユーモラスで好き。
第3部:色彩のファンタジー
ルドンは、黒をやめて突如色彩の画家へと変わる。
といっても、黒の時代も色彩画は描いていたようだから、突如ということではないのかも。
花を描いた絵は、とても鮮やかで、「青い花瓶の花々」などは、「グラン・ブーケ」の小型版という感じ。
しかし、主題によっては、鮮やかという印象はなくて、幻想的な印象。「オフィーリア」、「オルフェウスの死」。
何枚も描かれた「アポロンの戦車」も不思議な色合い。ルーヴルのドラクロワの絵に影響を受けているとのことだが、あったっけ?
最後の一枚は、未完となった「聖母」。息子が戦争から無事に戻ることを祈って描いたものとのこと。落ち着いた静かな絵でした。
昨年のルドンの展覧会に行かれた方も楽しめると思いますので、是非!
※次回更新は5日となる予定です。
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