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2013/07/06

【夏目漱石の美術世界展】

art-26 【夏目漱石の美術世界展】 東京藝術大学大学美術館

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夏目漱石、ほぼ全部読んではいるのだが、それも昔のこと。
美術への関心が深く、しばしば自著に美術作品が登場している(らしい)。らしいというのは、

そこまで覚えていないから(笑)
そうした本に出てくる美術作品、漱石が好きだった絵画、留学中に見たであろう作品などを集めた展覧会。企画がユニークですね。

序章 「吾輩」が見た漱石と美術
橋口五葉の「吾輩ハ猫デアル」の装丁からスタート。
はじめ、猫があんまりかわいくないと思ったけれど、だんだん見ているうちに、ユーモラスでいいなと思えてきた。橋口五葉は漱石が気に入って、その後たくさんの作品の装幀を手がけているらしい。
朝倉文夫「つるされた猫」がかわいかった。

第1章 漱石文学と西洋美術
漱石は、ロンドン留学中、たくさんの名画を見たことで、西洋美術に熱を入れるようになり、作品にもしばしば登場する。
その登場する美術作品そのものや、類似した作品が、小説とともに展示されていて、わかりやすい。
漱石をよく読んでいたのは、10代の頃で、今ほど美術も知らなかったから、美術作品に関する記述が出てきてもスルーしちゃったんでしょうねぇ。
『坊ちゃん』にはターナーが、『薤露考』にはロセッティやウォーターハウスが、『倫敦塔』にはミレイがという具合。ロセッティの「レディリリス」もよかったのだが、ウォーターハウスの「シャロットの女」の方が好みかな。ちょっと恐いけど。
本当は漱石が本の中で言及しているのはドロラーシュの絵のようだが、それらはパネル展示で、今回きているのはミレイの「ロンドン塔幽閉の王子」。ワタクシはミレイの絵の方が好き。

第2章 漱石文学と古美術
西洋美術より、日本の古美術との関連の方がわかりづらいが、実際に漱石もいろいろと所有はしていたらしく、遺愛品売立目録の展示があった。
俵屋宗達や渡辺崋山の画がよかったが、谷文晁も見たかったなあ(ワタクシが行った時には展示は終わってました)。

第3章 文学作品と美術『草枕』『三四郎』『それから』『門』
『草枕』
「オフィーリア」にも言及されてるんですね。今回は、パネル展示で残念!前、テートに行ったら貸し出し中でとっても残念だった。
若冲の鶴の絵が2点。単純な線の画でおもしろい。
『三四郎』
ウォーターハウスの「人魚」が出てくるとのこと。これもいい。ワタクシもウォーターハウス、結構好きかも。
吉田博、ふじをのヴェニスの絵もよろしい。
『それから』
青木繁「わだつみのいろこの宮」がパネル展示だったのは残念。
プラグィンの作品、力強くていい。もっと見てみたい画家だ。
『門』
酒井抱一が目立った作品か。

第4章 漱石と同時代美術
漱石はしばしば展覧会に出かけ、美術批評を書いている。
意外と好き嫌いがあったようで、時に辛辣なことを書いているのがおかしい。
大観、坂本繁二郎、岸田劉生、青木繁他、なかなか豪華なラインナップ。
劉生、萬鉄五郎の作品がよかった。

第5章 親交の画家たち
親交のあった画家にも手厳しく書いているところがまたまたおかしい。
橋口五葉は、中でも特にお気に入りだったのかな。
ワタクシ自身の好みとしては、浅井忠。「収穫」はミレーっぽいような、なんか土っぽい感じがいい。

第6章 漱石自筆も作品
漱石は自らも絵を描くのが好きで、たくさんの作品を残しているらしい(それ、知らなかった)。
が、まあ出来は・・・言わぬが花(笑)
書は素晴らしいのだけど。

第7章 装幀と挿画
ぐるっとまわって、最終章はまた装幀に戻る。
漱石は自分でもいくつか手がけてはいるのだけど、こうして並べてみると、橋口五葉のデザインの方がやっぱりすばらしいですね。

とてもおもしろい展示でした。
漱石を読んでた方がいいけれど、でなくとも大丈夫。
残念ながら、明日でおしまいです。

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見終わって、サンドdeパンダ食べました。

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