【谷文晁展】
art-28 【谷文晁展】 サントリー美術館
午前中、ファインバーグ・コレクションを見て、その後昼食を食べた後、サントリー美術館に移動、鑑賞したのが谷文晁展。
谷文晁、ファインバーグ・コレクション展にも2点出ていたが、いろいろな展覧会で見かけるものの、あまりよく知らず・・・
まとめて見られるいいチャンス!
ということで行ってみた。
序章 様式のカオス
文晁は狩野派、円山四条派、土佐派、そして洋画も学んで、いろいろな作風の画を描いたという。
確かに!バラエティに富んでいる。滝を描いた3枚の画を較べてみても同じ画家とは思えないほど。模写は、洋画風だし、正直、この序章では??となったのであった。
第1章 画業のはじまり
文晁は10歳で加藤文麗に弟子入り、17,8歳には、渡辺玄対に師事したとのことで、この2人の作品も並んでいたが、13歳の時の文晁の画もあった。画家に対してうまいねというのはなんだが(笑)、さすがである。
この章では、山水画が多かったが、微妙に作風が異なっていて、その違いがおもしろい。
第2章 松平定信と『集古十種』 旅と写生
文晁は、白河藩主で老中の松平定信に認められ、巡視に同行し、たくさんのスケッチ的な絵を残している。また、全国の古文化財の調査の記録本『集古十種』(全85巻)にも関わっていて、これもいいんですね。できれば全部見てみたい。
元々旅好きだったとのことだけれど、旅における風景画はたくさんあるようで、この章は、ワタクシ的には一番ツボであった。
第3章 文晁と「石山寺縁起絵巻」
松平定信は、過去に失われた作品の復元も行っている。
「石山寺縁起絵巻」は1300年代に7巻本として企画されたものの、6巻目と7巻目は詞書のみできていて絵はなかったため、定信が文晁に命じて補完させたという。
サントリー美術館にあるのは模本だが、今回は石山寺所蔵のもの(重要文化財)もきていて、なかなか貴重な機会である。
私意を入れることを禁じられたとのことだが、文晁らしさは十分出ているのではないだろうか。
荒れた海をいく馬の画は、とてもダイナミック!
ストーリーはちゃんと知っていた方がいいとは思うが、これも全部見てみたいものだ。
第4章 文晁をめぐるネットワーク 蒹葭堂・抱一・南畝・京伝
幅広いネットワークを持っていたという文晁。
蒹葭堂を文晁が描いた画は、とてもユーモラス。
酒井抱一とは特に親しかったようで、抱一らと描いた三幅の掛け軸は上品な味わいでよかった。
養子、実子、弟も画家で、作品が並んでいたが、実は一番気に入ったのははじめの奥さんの画。
最後に、文晁の「富士山図屏風」があったが、これはなかなか静かだが堂々とした富士山ですばらしい。山の中では富士山が一番好きだったらしい。
今まであまり知らなかった文晁がよーくわかった展覧会。充実してます。
是非!
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