カルロス・ルイス・サフォン『風の影』上・下
本日の本


book-29 『風の影』上・下 カルロス・ルイス・サフォン著 集英社文庫
STORY:1945年バルセロナ。古書店の息子ダニエルは父に連れられて訪れた「忘れられた本の墓場」で一冊の本と出会い、その作者の過去を追うが、ダニエルの身に危険が迫る。
☆☆☆☆スペインのミステリ。
いや、ミステリというカテゴリーにくくれる本ではない。あらゆる要素が詰まった、ともかくおもしろい本なんである。
この本の存在は、出た当時評判がよかったので、知ってはいたが、その時は縁がなくて・・・
今年、スペイン、それもこの本の舞台となっているバルセロナに行くので、ふと読んでみようと思い立った。
読み始めるととまらないし、すーっと物語に入っていける。最後は一気読みだった。
まず、「忘れられた本の墓場」という設定が、本好きとしてはうれしい。こんなところに行ってみたいもの。本だらけなんて幸せだろうなあ。
過去と現在がシンクロしながら物語は進んでいくのだが、次々と場面は転換する。
少年の成長物語であり、恋愛物語であり、冒険物語であり・・・
裏切りあり、友情あり、謎の人物あり・・・
スペインに暗い影を落とした内戦についても書かれている(なんたる悲劇!)。
たくさんの糸が次第に1本の糸へと収束していく展開が思いっきりツボ。
いやはや、うなりましたね。
登場人物もみな魅力的なのだけど(嫌な奴は徹底的に嫌な奴に描かれているがそこがまたいい)、内戦で失脚しホームレスとなってしまったフェルミン(ダニエルの父のお店で働くことになる)が特にいい。
とってもおもしろかったものだから、ただいま、2作目の「天使のゲーム」を読んでるところであります。
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