カルロス・ルイス・サフォン『天使のゲーム』上・下
本日の本
book-31 『天使のゲーム』上・下 カルロス・ルイス・サフォン著 集英社文庫
STORY:1917年バルセロナ。新聞社の雑用係をしていたダニエルは短編小説を書く機会を与えられ作家としてデビュー。やがて独立しあこがれていた塔の館に移り住んで執筆する彼に、1年間自分のために執筆するかわりに高額の報酬と望むものを与えるというオファーが・・・
☆☆☆忘れられた本の墓場シリーズ2作目。
いいですねぇ、あいかわらず。この忘れられた本の墓場という設定にワクワクする。
センペーレと息子書店という古書店もまた登場して、1作目の直後のお話かと思ったら・・・あらら、こちらの方が時代設定は古かった。
2作目も、早くページをめくりたい!と思う本で、読み始めてすぐにどっぷりとこの世界にはまったのだが・・・
おや?主人公ダニエルに奇妙なオファーをする謎の人物が登場するとトーンダウン。
というか、どうもこの人物が出てくるとふとページをめくる手がとまってしまうのだった。
どうもこのテーマがねぇ。
ドイツのあの有名な戯曲なんですね。
とすると、ハッピーな結末ではないだろうと思えて・・・
ミステリーとして読むと、確かに次々人が死んで、主人公が疑われという展開で、どうなるんだろう?と思わせるのだけど、結局のところ、ストンと落ちる結末ではなくて、落ち着かなかった。というのが狙いなんだろうけれど、ミステリーとしてはきっちり落として欲しかった・・・
いや、これミステリーって範疇にとじこめちゃいけない小説なんでしょうね。
恩人ビダルやその妻となるクリスティーナなど魅力的な人物はいろいろと登場するが、一番印象になったのは、押しかけアシスタントになるイサベッラ。生き生きとして描かれている。
そのイサベッラがあの人だったとは!
ラスト近くでへーって思いましたね。なるほどこういうつながりか。
3作目は、1作目と2作目とどうつながっていくのか、楽しみ。
※次回更新は8月10日となる予定です。
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