E・C・R・ラロック『悪魔と警視庁』
本日の本
book-34 『悪魔と警視庁』 E・C・R・ラロック著 創元推理文庫
STORY:濃霧に包まれたロンドン深夜。マクドナルド警部は、ひったくりから女性のバッグを取り戻し、警視庁に車を置いて帰宅。翌朝、車の中から発見されたのは、悪魔(メフィストフェレス)の衣装を身にまとった男の死体だった・・・
☆☆☆イギリス本格ミステリ黄金期の作品。
なんでも、クリスティに比肩する英国探偵小説黄金期もう一人の女王だそうで・・・
と、比較される作家はほかにもいるような気がするけれど、なんといっても、ワタクシにとってはクリスティが一番。さてさてどうか。
この名前からは女性作家なのかどうか判別できないが、実際、女性作家だということは生前は公表されなかったらしい。
文章のタッチからも判別しがたいし、まあしいて言えば女性キャラの描写が女性らしいかも?
つかみはなかなかよい。
探偵役のマクドナルド警部の車からメフィストに扮した男の死体が発見され、いったいこれは誰なのか?というところからはじまる。
手がかりを追ううちに、また死体が、そしてさらなる事件が発生。
殺された男の正体がわかったところで、今度はなぜこの男が殺されたのかに興味が移る。
読み終わってみると、ミスディレクションはあるものの、いかにもこれは違う方向に向かわせてるなと思ってしまうし、唐突にこの人が犯人!と言われてちょっと消化不良。
無名の○○が殺されたことがさりげなく織り込まれている時点で、これはきっとこういうトリックに違いないと思ってしまうしなあ。
とまあ不満はあるものの、マクドナルド警部がかっこいいので許す(笑)。
長身で体格がよく、忍耐強くて物静か。読書家で音楽に関する造詣も深い。
いざという時には強い腕っ節を披露(本作でもあり)。
マクドナルド警部が活躍する作品、また出してもらえないかな・・・
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