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2013/10/15

【ターナー展】

art-39 【ターナー展】 東京都美術館

1310151
レオナール・フジタ展を見て、昼食をとってから上野へ移動。はじまったばかりのターナー展へ。入り口ではわからなかったのだが、入ってびっくり!かなりの混雑である。小さな水彩画も多いから、仕方ないのかもしれない。

ほぼ、テート美術館のコレクション作品で、油彩が30点あまり、残りは水彩やスケッチブックなどである。

Ⅰ 初期
小さな自画像が飾られていた。わりと端正な青年といった感じだが、実際はさえない感じだったとか(笑)。ま、自画像だからね。
ターナーというと、晩年の光と大気を描いたもやもやとした絵のイメージだが、最初からそういう絵を描いていたわけではなくて、若い頃の作品はかなり細かく描きこみがされているのである。風景画だけというわけでもない。
けれど、なんとなく人物を描く画家というイメージはまったくなくて、男性裸体像の習作なんぞが飾られていると、不思議な感じ。

Ⅱ 「崇高」の追求
ターナーは、イングランドのみならず、大陸にも足をのばし、たくさんの風景画を残している。
「バターミア湖、クロマックウォーターの一部、カンバーランド、にわか雨」はちょうど雨がやみつつあって虹が出てきたという風景だろうか。湖にも移る光が美しい。
ヨーロッパの山々の風景はどれも迫力があるが、なんといっても「グリゾン州の雪崩」だろうか。実際にあった雪崩を描いているのだが、岩が砕け、家が押しつぶされる様子が破壊力のすさまじさを物語っている。
ターナーというと、神話や聖書には縁遠いイメージがあるが、そうした絵も描いてはいる。ただ、風景の方がメインなのかもしれない。

Ⅲ 戦時下の牧歌的風景
第3章は平和な絵が並ぶ。
牛、羊、静かな村・・・
また、めったにない風俗画も(「鉄の値段と肉屋の子馬の装蹄料を巡って言い争う田舎の鍛冶屋」)。フランドル絵画風である。

Ⅳ イタリア
ターナーはしばしばイタリアを訪れている。
バチカンからの風景が何枚かあるが、一番気に入ったのは、「ヴァティカンから望むローマ、ラ・フォルナリーナを伴って回廊装飾のための絵を準備するラファエロ」。いろいろな要素が詰まった絵で、宮殿や広場の建築、装飾も美しいのだが、ラファエロが描かれているのがおもしろい。聖母の絵までも!
「チャイルド・ハロルドの巡礼-イタリア」は漱石の『坊ちゃん』で言及されているとのこと。明るい絵だ。
「レグルス」も印象的。レグルス(敵に捕らえられまぶたを切り取られたために、目を閉じることができず、まぶしい日の光で失明した将軍)が直接的に描かれているわけではないのだが、強烈な光でまぶしさを感じさせる絵である。


Ⅴ 英国における新たな平和
ターナーは王室から絵を依頼されたものの、戦意高揚になるような絵を絵が描かなかったからか、2度と声はかからなかったそうであるが、パトロンはたくさんいて、生活には困ることがなかったようだ。
パトロンの一人に呼ばれて滞在して描いたのが、ペットワース・ハウスのシリーズ。このお屋敷の中にはターナーのコレクションもあるらしく、うーん、行ってみたいな。

Ⅵ 色彩と雰囲気をめぐる実験
まさにこの章は、ターナーが絵を描くに際して試行錯誤した様子の絵・・・ともいえない作品(ともいえないね)の展示で、ふーん、なるほどねという以外なにものでもないという(笑)
昔、絵の具は豚の膀胱に入れられていたというのをはじめて知ったのが有意義だったという程度(笑)。

Ⅶ ヨーロッパ大陸への旅行
ターナーは風景を描くためというのもあったのだろうけれど、旅好きでもあったんでしょうね。頻繁に旅に出かけていて、イタリアの他、フランス、ドイツ、スイスの絵画もたくさんある。
個人的には、やはりスイスの風景がいいですね。

Ⅷ ヴェネツィア
イタリアの中でもターナーは特にヴェネツィアが気に入っていたようだ。
長らく我が家の玄関にも飾ってあったが、「ヴェネツィア、嘆きの橋」はとても美しい。淡い色彩がやわらかな雰囲気を醸し出していてすてき。
60歳頃の作品が多く、正直、ちょっと溶けかかってないか?というのもあるにはあるのだけど、ヴェネツィアという土地の雰囲気によくあってはいる。

Ⅸ 後期の海景画
ターナーは、海景画も多い。
特に、嵐の中の船を描いた画は迫力満点(実際は決して嵐ではなかったのに、ドラマティックにするために、嵐を描いたということもあったらしい)。
しかし、後期はやはり、画面がもやもやとしていて「荒れた海とイルカ」などはどこにイルカがいるの?と思ったり・・・

Ⅹ 晩年の作品
晩年の2作品、「戦争、流刑者とカサ貝」、「平和-水葬」が並んでいたが、色が対照的である。ワタクシの好みは後者であるが、当時は黒が強すぎると批判されたらしい。船の灯りと黒い船の対比が美しいと思うのだが。
「湖に沈む夕陽」などは、もはや何が描かれているかわからない。完成品なのかどうかすらわからないらしいが・・・

テート美術館のコレクション(テートはこれでもかってほどターナーがたくさんあるので、最後は食傷気味になるかも)の極々一部ではあるけれど、若い頃から晩年までの作品が一通りそろっており、勉強になります。
是非!

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