バルドゥイン・グロラー『探偵ダゴベルトの功績と冒険』
本日の本
book-38 『探偵ダゴベルトの功績と冒険』 バルドゥイン・グロラー著 創元推理文庫
STORY:20世紀初頭。ウィーンの素人探偵ダゴベルトは毎週、友人との晩餐後、社交界でおこる様々な事件とその顛末を語る。
☆☆☆短編集。
ダゴベルト?作者の名前も難しいしと思ったら、オーストリア産のミステリーだそうで。オーストリアのってあまり読んだことない(はず)。
はじめは、探偵役のダゴベルトが使徒ペテロ風のおじさん?
と思ってうーむと思ったのだが、いや、なかなかおもしろかった。だんだんとダゴベルトが好きになったし。
とっても優雅なんですね。
第一世界大戦前のウィーン、それも上流(貴族)社会が舞台。
それなりに深刻な事件もあったりするが、ダゴベルトがスキャンダルにならないよう、穏便に解決するという結末のお話が多くて、それでいいのか!と思わなくもないけれど、粋なはからいもあり、やるね、ゴダベルト!
ダゴベルトも大金持ちで働かなくともいい身分。
で、ひまなつれづれにアマチュア探偵をやっているという、実にうらやましい身分なのも、なんとなくのんびりムードが漂ったりして、あまり殺伐としていないところが、よろしい。
現代的なミステリーを読む合間にはこんな古風なミステリーもいいもんですね。
この作家ははじめて読むんだよなと思ったら・・・
なんと、『探偵小説傑作集』に収録されていたのか。昔々読んだはずだが、まったく記憶にない・・・
残り9編も是非出してほしいな。
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