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2013/10/20

【モローとルオー展】

art-40 【モローとルオー展】 パナソニック汐留ミュージアム

1310201
土曜日、仕事を終えて、【モローとルオー展】に行って参りました。

モローとルオー。作風は一見全然違うように思えるけれど、二人は師弟の関係にある。
以前、パリのモロー美術館を訪れるに際し、モローに関する本を読んで、そこではじめて二人が師弟関係にあり、ルオーはモローの遺言によりモロー美術館の初代館長になったことを知った。
今回の展覧会はモロー美術館の館長監修によるもので世界初の二人展とのこと。それは行かなくちゃ!

ギュスターヴ・モローのアトリエ
二人の写真に続いてそれぞれの自画像の展示。モローは自画像の依頼をことどとく断っていたようで、これは貴重。モローの方が繊細そうな感じ。
モローの「ユピテルとセメレ」。モロー美術館で見たのと違うような・・・と思ったら、前に見たのはもっと大きな作品の方だった。今回きているのもモロー美術館にあるものだが、なんかアンバランスな不思議な絵である。
ルオーの作品では、若き頃コンクールにさかんに応募していた時代の絵がたくさんあった。モローはずいぶんと助言をしていたようで、この時期の絵は確かにモローの影響もみてとれる。ルオーの苦心のあとがしのばれる下絵もあり、ずいぶんと勉強熱心だったことがわかる。
ルオー「人物のいる風景」(これは汐留ミュージアム所蔵で前もみたことはあるが)は、コローのようなモローのような作品で、「夜の風景」は、のちに版画でもそういった作品はあるが・・・社会の下層の人々に目を向けた作品で、暗い雰囲気が漂っている。

裸体表現
モロー「メッサリーナ」は第4代ローマ皇帝であり娼婦でもあった女性を描いているが、退廃的なムードが漂う作品。
ルオーの裸体画は絵画の練習という感じであった。

モローとルオーの往復書簡
二人の書簡がいくつか展示されていた。
モローは筆無精だったというが、ルオーに対しては心のこもった手紙をたくさん残したようだ。ルオーの手紙の方が短くて、文章の雰囲気からすると、やはりモローの方が繊細な感じを受ける。

聖なる表現
モローもルオーも宗教的な主題の作品をたくさん残しているが、若干テーマは違う。
ルオーはキリストを多く描いており、「聖顔」(ヴェロニカの布に移った顔)もたくさんあるが、今回きていたのは、ポンピドゥーセンター所蔵の作品。見開いた目の力がすごい。
結構気に入ったのは「三本の十字架」で、寂しげだが美しい。
モローの「ピエタ」は未完成とのことだが、人々の悲しみが伝わってくる、いい作品。

マティエールと色彩
モロー「パルクと死の天使」は、絵の具がボテっとおかれていて、むしろモローがルオーに近づいている気がしたが、結構強烈な印象の絵である。ワタクシとしては、やはりもっと繊細な絵の方が好きですが。
お隣にはルオーの「我らがジャンヌ」。これは、よく知るルオーの絵といった感じだが、モローよりもっと色彩が鮮やかでインパクトがある。

幻想と夢
パリのモロー美術館の映像が流れていた。
いやー、ホント、この美術館は素敵。午後も遅い時間に行ったので、全部細かく見切れなかったのが心残りで、今度行ったらもうちょっと時間をとってゆっくりみたい。
そして、モローの蔵書「北斎漫画」の展示が。へー、こんなものも見てたんですねぇ。
この展覧会で一番気に入ったのが、「ヘラクレスとレルネのヒュドラ」。この妖しさ!まさにモローだ。幻想的というよりは、不気味さがかっている気もするが。
「一角獣」は、あのタピスリー「貴婦人と一角獣」に触発されて描いたものらしい。
最後は、このミュージアム所蔵のルオーの作品でしめくくり。

モローとルオーの2人展。
あるようでなかった展覧会。
モローもルオーも好きなワタクシとしては、ホントにうれしい展覧会でした。是非!

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