サックス・ローマー『骨董屋探偵の事件簿』
本日の本
book-39 『骨董屋探偵の事件簿』 サックス・ローマー著 創元推理文庫
STORY:骨董屋のモリス・クロウは現場で眠れば事件を再現できるといい、実際そうやって数々の難事件を解決してきた。サールズはある事件でクロウと知り合いになり、調査に同行して事件について書き留めるようになる。
☆☆☆100年前に書かれた短編集。
最近、古いのを続けて読んでいるが、翻訳もあるのか、全然古い感じはしない。
作者ははじめて聞いた・・・と思ったが、この人、フー・マンチューものを書いてるんですね。
で、物語だけれど、思った感じと全然違いましたね。
かなり、オカルト的。雰囲気は、サイモン・アーク。
現場で眠ると頭の中に犯人や被害者の心象風景を映し出すことができ、娘(クレオパトラのような絶世の美女・・・らしい)の力を借りてそれを絵にすることができる・・・
って、なんという捜査法!
というか、捜査じゃないよね。
事件自体は最終話をのぞいて、解決してみると、合理的な説明がつくものなのだけど、解決の方法はあまり納得できるものではないんですね。
でも、おもしろくないかというと、案外おもしろかったりして。
クロウ自身も相当不思議なキャラだし、娘のイシスもまた特異なキャラ。
警部や語り手同様、クロウに煙にまかれているうちに、事件は解決しちゃうのだけれど、あ、なるほどねと思えるわけなのだ。
まあ、でもフツーのミステリが好きな方にはあまりおすすめできないかも。
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