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2013/12/02

トレヴェニアン『夢果つる街』

本日の本

夢果つる街 (角川文庫)
book-45 『夢果つる街』  トレヴェニアン著  角川文庫

STORY:吹きだまりの街、ザ・メイン。ある日発見された、胸を一突きされた若い男の死体。この街を知り尽くしたラポワント警部補は徐々に真相に迫っていく。

☆☆☆☆これまた読む機会が今までなかった本の一つ。

この本、大変有名だし、世間の評価も高い。
けれど、ハードボイルドという先入観があり、昔は読もうという気が起きなかった。なにせ、ハードボイルドは好きではなかったから。

最近は、ハードボイルドも読むようになり、『読み出したら止まらない!海外ミステリーマストリード100』に載っていたのをきっかけに読むことを決意(そう、大げさなものでもないけれど)。

いやはや、なぜ今まで読まなかったんだろうなあ。
素晴らしい小説だ。

確かに、ミステリーではある。
主人公ラポワント警部補がこつこつと足で歩き、地道な捜査を進める内、悲しい真相へとたどり着く。若干、唐突ではあるけれど意外な犯人である。

若い相棒との確執、その後の交流、上層部との軋轢・・・
そういった部分は、まあよくある設定なのだけれど、ラポワント警部補が魅力的で読ませる。
妻を若くして亡くし、今やいつ破裂するともしれない動脈瘤をかかえ、週2回、友人たちとカードゲームをやるのだけが楽しみという孤独な男。
掃きだめのような街で、自身が法となり、街をとりしきっている。
そんな彼の味気ない人生に、波風を立てることになるのが、ひょんなことから彼の家に転がり込んだ娼婦、そして、頭でっかちだが正義感の強い若者の警官。

ちょっとだけ、彼の人生が変わりつつも、淡々と事件の真相に迫るラポワント警部補。
真相に至るまでは結構長いのだけど、ぐいぐいと物語に引き込まれる。
決して、明るい結末ではないけれど(犯人の姿が悲しい・・・)、希望もちょっぴりあるラスト。

ミステリーの枠にはおさまらない小説でありました。

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