【光の賛歌 印象派展】
art-1 【光の賛歌 印象派展】 東京富士美術館
お正月二日目は毎年美術館へ。
今年は、久々、3度目の東京富士美術館。なかなか行きづらい場所なのだが、印象派と聞いて行ってみることにした。
会場を入ると、ん?全然印象派じゃないじゃん!と思ったら、まず常設展示からはじまるのだった。たくさん持ってるなあ。
QRコードを読み取ると、スマホに解説が出てくる仕組みなのだけど、一枚一枚やってたら、えらく時間がかかってしまうので、気になった絵だけ見ることにした。
気に入った絵は、ピーテル・ブリューゲル(子)による「農民の結婚式」(5枚模写があるらしい)、カナレットのローマの風景画、ユベール・ロベール、ミレーの「鵞鳥番の少女」、シダネルの「森の小憩」などである。
さて、ようやく本題の【光の賛歌 印象派展】がはじまる。
序章 印象派の先駆者たち-近代風景画の地下水脈
ほぼ、この美術館の作品だった。
というか、第一章の作品も並んでいて、ややこしい・・・
ターナーが一枚あったが、あまりもやもやしていなくて、ターナーっぽくないというか、色あいなどはそうなのだけど、言われないとわからないかも。
おもしろいと思ったのは、クールベの「エトルタ海岸、夕日」。エトルタのアヴァルの門を左隅に描いた構図がユニーク。スコールの絵は迫力だった。
第1章 セーヌ河畔の憩い-パリ近郊の川辺を描く画家たち
なんといってもシスレーである。こんなに一度にシスレーを見たのってはじめてかもしれない。いやいいなーシスレー。
モレ、サン=マメス、ビィ。ようはロワン川のほとりの村々で、たくさんの風景画を描いたシスレー。どれも、穏やかな、暖かい光が注ぐ風景で、今回、あらためていいなと思いましたね。
特に、水(川)のある風景が素敵。
その中で異色なのは「モレの洪水」だが、洪水というテーマもよく取り上げていたらしい。
世界中のいろいろな美術館から集められている絵たち。充実している。
基本、風景画が多い中で、こんなのものきてましたか!
というのが、ルノワールの「ブージヴァルのダンス」。
「都会のダンス」、「田舎のダンス」と並ぶ3部作の一つ。モデルは、「都会のダンス」と同じくシュザンヌ・バラドン(ユトリロのお母さん)なんですね。
モデルは違えども、印象としては、「田舎のダンス」と「ブージヴァルのダンス」は似ているような・・・
この3枚、甲乙捨てがたい。
モネもたくさんあった。
モネ=睡蓮というイメージもあるが、ワタクシは、睡蓮以外の絵の方が好き(睡蓮だったら初期の方が好き)。
ヴェトュイユの風景画が何枚かあったがなかなかよい。
睡蓮の絵だと、サン=テティエンヌ近代美術館の丸い絵が素敵だった。
「日本の橋」も色味は好きなのだけど、やはり晩年の作なのでモヤモヤ度が激しすぎる。
数枚あったピサロ、特に日没のルーアンを描いた絵は美しい。
第2章 ノルマンディ海岸の陽光-海辺を描く画家たち
空と海を描いたブーダンの絵が5点ほど。
空、海、風・・・作風は地味目だけれど、なかなかよい。空が大きくとられているのが特徴。
ブーダンはモネを見いだした人でもあり、2人の作品が並べて飾られていたが、同じ風景のようだった。
そして、ここでもモネがたくさん。
モネは、エトルタをたくさん描いているが、こちらでも数枚並んでいた。
うーん、どれもいいのだけど・・・
「荒天のエトルタ」はすごい迫力だし、「アヴァルの門から見た針岩」は色彩がルーアンの大聖堂風。まあでも、「アヴァルの門」がオーソドックスでいいかも。
プールヴィルやディエップの風景画も数枚ずつあり、しかも今まで見たことがなかったものが多く、収穫であった。
カイユボットの「トゥルーヴィルのレガッタ」が見られたのもうれしい。
先日カイユボット展に行ったのも記憶に新しいところだが、今までだったらスルーしてしまったかもしれない絵である。
なかなかにいい絵がそろっていました。
まだの方はどうぞ(1月5日まで)。
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