【葛飾応為 吉原格子先之図展】
art-12 【葛飾応為 吉原格子先之図展】 太田記念美術館
葛飾応為の肉筆画が見られるということで行って参りました。
今日は最終日。ギリギリセーフ。
実は、応為のことはあまり知られていない。
北斎の三女である応為、生没年は不明だし、わかっている作品は10点ちょっとしかないという。
署名がないこと、肉筆画だということも原因なのか、まだまだ研究が進んでいない。
北斎の晩年の作とされている物の中にも混じっている可能性もあるし、今後研究が進めばもっとわかってくるに違いない。
先月、大浮世絵展に行ったのが、残念ながらメナード美術館蔵の「春夜美人図」の展示期間は終わってしまい悔しい思いをしたので、これは是非見たいなと思っていた。
秋にくるボストン美術館蔵の「三曲合奏図」は絶対見よう!
この展覧会の副題にもなっているけれど、まさに光と影の美、なのである。
明るい遊郭の中と、外から見る人々のシルエットの光と影のコントラストがくっきりと出て、なんとも魅力的。
今回はこの作品と、応為が画を描いた「女重宝記」のみだったが、他の作品も見たいなあ是非。
以上が第1章。
2章以降は駆け足で。
Ⅱ 葛飾派の洋風表現
北斎は西洋の影響を受けており、一派の作品にもそうした影響は見られるらしい。
並んだ中では、北斎の「諸国名橋一覧」が一番モダンに見える。
昇亭北寿の作品は、色が明るい。
Ⅲ 夜と美人
ずばりこのテーマの絵を集めているが、一番好きなのは歌川広重「雪月花の内 月の夕部」。月を描かずして月を表現。情緒あふれる作品。
歌川国貞(三代歌川豊国)もあったが、広重の方が好きかも。
Ⅳ 夜の風景
国芳の作品もよかったが、広重の名所江戸百景が2枚あったのがうれしい。このシリーズ、いつかは全部並べて見てみたい。
Ⅴ 江戸の影
影が美しい絵を集めている。
菊川英山「当風三美人」がおもしろい。影と光のコントラストというのもあるが、向こうの障子に映る興じる人々と、手前の3人の女性とのコントラストも。
Ⅵ 閃光をとらえた絵師たち
歌川豊国の「両国花火之図」。花火じゃなくて、橋の上に集まる人々(ぎっしり!)を描きたかったんじゃないだろうか。この橋、大丈夫?と思えるくらいの人である。
Ⅶ 新時代の表現
光線画の小林清親の作品が4枚。応為の作品と通ずるところがありますね。
清親以外で気に入ったのが、お弟子さんの井上安治(今まで見たことあったかな?記憶なし)。缶詰の製造販売をしていたお店を描いた「銀座商店夜景」の光と影が美しい。
※この展覧会は本日で終了です。
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