ミネット・ウォルターズ『遮断地区』
本日の本
book-8 『遮断地区』 ミネット・ウォルターズ著 創元推理文庫
STORY:バシンデール団地に越してきた親子は小児性愛者と疑われ、彼らを排除しようとするデモは、彼らが以前に住んでいた街で少女が失踪したのをきっかけに暴動へと発展してしまう・・・
☆☆☆☆久々に読んだM・ウォルターズ作品。
ワタクシ、ウォルターズが苦手である。
決してよくはない読後感、暗さ・・・
どうも苦手でちょっぴり読んだだけでストップしていた。
しかし、これはちょっと違うというウワサを聞いてトライ。
いや、確かに!
これはいつものウォルターズとは違う。
デモを計画したものの予想外に暴動へと発展してしまい、なんとか事態を収拾しようとする出産間近の女の子。
彼女を助けようと果敢にも乗り込んでいく出所して間もない恋人。
小児性愛者と疑われている親子に監禁されてしまう若い女性医師。
失踪した少女の捜査にあたる刑事。
といった多数の視点から物語が語られ、テンポよく進行していく。
結論の一つはあらかじめ提示されているけれど、そこに向かって、どうなっていくか?
おもしろくて、先を早く読みたい!という気持ちになる。
もう一つの事件については、謎は最後まで明らかにされず、こちらのストーリーも楽しめる。
小児性愛者と疑われる親子の関係、そして、失踪した少女と親との関係は非常にゆがんだものであり、とてもいやな気持ちになるが(これはウォルターズっぽい)、暴動が鎮まったあとのラストは、ホッとできるもので、読後感よし。
いや、これおもしろかった。
そういえば、家のどっかにウォルターズの本あったなあ。また読んでみますか。
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