ヴィクトル・アルナル・インゴウルフソン『フラテイの暗号』
本日の本
book-6 『フラテイの暗号』 ヴィクトル・アルナル・インゴウルフソン著 創元推理文庫
STORY:アイスランド、フラテイ島。アザラシ猟に出た少年が無人島で発見したのは死後かなりの時間を経過した男性の死体で、ポケットからは意味不明な言葉が書かれた紙が発見される。さらに不穏な事件が・・・
☆☆☆☆アイスランドのミステリー。
アイスランドのミステリーといえば、アーナルデュル・インドリダソンの2作が話題となったが、まだ読んでおらず・・・
初アイスランドミステリーである。
なじみの国のミステリーより、ちょっと名前が覚えにくいのが難点だが・・・
そもそも、作者の名前もなかなか覚えられないよ(笑)
あ、でもこのミステリー好きだなあ。
独特の雰囲気がいいのだ。
おおよそ、事件など起きそうにない島で、死後相当時間がたった男性の死体が発見されるのが発端で、その後、何か目的を持って本土から渡ってきた元記者が、各所で騒動を起こした末に無残な姿となって発見される。
この物語と同時に、伝承を集めたフラテイの書とそれにまつわる暗号の話が語られる。
各章の最後に挟み込まれる話が、はじめはさっぱりわからなかったのだけど、次第に結びついてくる。
そして、島で起こった事件が、この書と暗号に密接にかかわっていたことがだんだんとわかったくる過程がおもしろい。
まさか、この人物が犯人なのか?
そうあってほしくない・・・
と最後まで読み進めて判明した事実は、ミステリ的には肩すかしといえなくもないけれど、同時に、ああよかった、これでと思える結末だった。
希望のあるラストで、読後感はよし。
カモメのスープとかパフィンの肉とかってどんな味なんでしょう?
食べ物含め、人々の生活や気候風土も大変興味深い本でありました。
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