【江戸絵画の19世紀展(後期)】
art-21 【江戸絵画の19世紀展(後期)】 府中市美術館
毎年春、府中美術館で開催される江戸絵画の展覧会。
今年は、19世紀という漠然としたテーマで、イメージがわかず、なんとなくぐずぐずしているうちに前期展示を見逃してしまった・・・
が、気を取り直して後期展示を見て参りました。
第1章 19世紀の造形感覚
あれ?これ袋田かなあと思ってしまった「袋田滝図」からスタート。
2枚目は、森狙仙の「狸図」。狙仙といえば猿だけれど、今回は狸。前期展示は猿だったみたいですね。
須賀川市立博物館という普段あまりなじみのないところから結構きているなと思ったら、亜欧堂田善は須賀川の出身で、谷文晁の弟子だったんですね。
田善というと、西洋画のイメージだったけれど、銅版画もたくさん手がけたという。これがなかなかよくて、もっと見てみたいなと。
西洋画といえば、府中市美術館所蔵の大久保一丘「伝大久保一岳像」(息子を描いたものと言われている)も西洋画風である。
滝の画がいくつかあって、北斎の諸国滝廻りシリーズは結構好きなのだが、驚いたのは古市金峨の「瀑布図」。ほとんどこれ抽象画だよ~
第2章 心のかたちを極める
この章は短いコーナーだった。
上田公長の「狐の嫁入り図屏風」がおもしろかったが、笑ってしまった(やや苦笑)のは忍頂寺静村の絵。なんともいえないうまへた絵。
第3章 19世紀の人の「世界」
「新訂万国全図」は、かなりよくできた世界地図。
国芳の山海名産尽が3枚。鯨のがいいかなあ。鯨といえば。安田雷州の「捕鯨図」がおもしろい。背景も。
今年何度も見てる気がする「東海道五拾三次」もあり。江戸東京博物館で見た際に気に入った「宮」があった。
第4章 西洋の画法をどう使うか
この章では、おなじみの画家たちがたくさん登場。
国芳、北斎、広重・・・
影の描写がおもしろいのは、広重「東海道五拾三次 三島 朝霧」や、国芳「夕涼み図」など。
光と影といえば小林清親だが、らしい絵は一枚。夜の絵の方がすきだなあ。
亜欧堂田善の「墨堤観桜図」、これは何度目かだと思うが、なんか不思議な絵。西洋風なんだけれど、そうでないような気も。遠近感はかなりのもの。
高橋由一「墨水桜花輝耀の景」。これ好き。すぐ近くの桜にピントがあった写真のよう。
おわりに 19世紀の絵に遊ぶ
谷文晁「水火仙客図」と鈴木其一「毘沙門天像」が迫力。めらめらの炎が、そして目力が迫力。
岸駒・岸岱親子の「獅子・虎図屏風」。虎は微妙・・・
今回新しく知った山本梅逸の「花卉草虫図」が楽しい。たくさんの草花、虫などの動物が描かれていて、これは見飽きない。
国芳の「為朝をすくう図」、ダイナミック!
来年の江戸絵画は動物絵画の250年だそう。
今から楽しみです。
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