【パブロ・ピカソ 版画の線とフォルム展】
art-31 【パブロ・ピカソ 版画の線とフォルム展】 町田市立国際版画美術館
この展覧会、興味はあったけれど、町田はちょっと行きづらいので行こうかどうしようか迷っていたのだが・・・
先週、目黒区美術館の【マルク・シャガール展】に行ったところ、この半券を持って行くとピカソが割引きになるということと、日曜美術館のアートシーンでちょうど紹介していて、
これは行かねば!と車でお出かけ。
行くのは久々。
1.若き日のピカソ
パリに出てきたピカソは安いアパートに住み、熱心に版画を作成したという。
有名な「貧しき食事」の他、貧しい人々をモチーフにした作品が何点かあった。
まだまだ冒険的な作品は少なく、ピカソらしくないといえばそうなのだけど、この時代の作品、なかなかによい。
2.第二次世界大戦まで
「知られざる傑作」はバルザックの小説にピカソが挿絵を描いたもの。
この小説は(読んだことなし)、年老いた画家の物語らしいのだが、ピカソの生涯のテーマとなる画家とモデルはここからスタートしたようだ。シュールさは十分発揮されていて、おもしろい。
武者小路実篤にプレゼントされた「ミノタウロキア」。何を描いたものか解釈は何通りもあるようで、頭をひねる絵。これって決めなくてもいいんだろうけれど。変な絵なんだけれど、目が離せない、そんな絵。
「博物誌」の様々な動物は、ん?と思うのもあるけれど楽しい。ピカソも製作していて楽しかったのではないだろうか。ダチョウが好き!
3.戦後から平和の時代へ
「ダヴィデのバテシバ」がおもしろい。
昨年、バルセロナでみてきた「ラス・メニーナス」を思い出した。
ピカソ、次々アイディアがあふれ出してくるんでしょうね。バリエーションが次から次へと作られる。今回は9枚のバリエーション。
元々はクラナッハの絵で、あの絵があーなって、あーなるのか!まじめなんだかそうでないんだか・・・
隣はうってかわって、「鳩」。平和の象徴。これは美しい。ピカソとしては、非常に静的な作品。
版画集の「真夜中の馬たち」はかなりシュール。なるべく少ない線で表現しようとしていると思われるが、理解は難しい(笑)
「闘牛技」は好き。やっぱり(画家に言う言葉じゃないけれど)上手いんだな、ピカソって。
4.晩年の探究
晩年は南フランスに移り住み、色も鮮やかに、作風もダイナミックになっていく、。
リノカット多色刷りという独特の方法でたくさんの作品を作りだしている。
この時の妻ジャクリーヌをモデルにした作品も多い。
「バッカス祭」はマティスのダンス風。
「草上の昼食」はマネの絵が元になっているが、確かにねー、よく見るとそうなんだけれど、あまりに違いすぎてもはや違う絵に・・・
「ランプの下の静物」は鮮やかすぎる色にびっくり。赤を基調とした作品の方がより好み。
版画にしぼったこうした展覧会もおもしろいものですね。
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