【のぞいてびっくり江戸絵画展】
art-26 【のぞいてびっくり江戸絵画展】 サントリー美術館
サントリー美術館で開催されている江戸絵画の展覧会に行って参りました。
第1章 〈遠近法〉との出会い
今では当たり前の遠近法も昔はなかったわけで・・・
はじまりは秋田半紙の小野寺直武により始められた秋田蘭画。「鷲図」はよくよく見るとそーねって感じ。まだまだ。
司馬江漢と亜欧堂田善。田善、先日行った府中美術館の展示でもたくさんあったけれど(最近注目してます)、この2人、ワタクシ的にはイメージが重なるんですね。西洋絵画のはしりという点で。田善の方が好きかな。
今回出ていた「ゼルマニヤ廊中之図」は、ヨーロッパの画家(版画家)の作品といわれてもわからない。
おなじみ、広重も。なるほど、こうしてみると、遠近法が取り入れられてるんですね。
ただ、「名所江戸百景 する賀てふ」は、ちょっと行き過ぎた遠近法な感じが・・・
春木南溟の「虫合戦図」はユーモラスでおもしろい。
楽しかったのは。眼鏡絵。遠近法で描かれた絵を凸レンズで見ると、とっても立体的に見えるんである。
円山応挙のも3枚あったが、これも是非レンズを通して見たかったなあ。
第2章 〈鳥の眼〉を得た絵師たち
鳥の眼・・・まずは俯瞰図である。
いやー、細かい!葛飾北斎の「木曽路名所一覧」。こういうの、ホントはじっくり時間をかけてみたいところ。
ここにもまた広重が。こうみてくると広重って結構斬新だったんですね。構図もそうだし。
ちょっと気に入ったのが「洋人富士山望遠図屏風」。オランダ人?た望遠鏡で富士山をのぞいている図なのだけど、どうみてもこれ富士山じゃない・・・丸すぎる・・・
ここで、鞘絵などの体験コーナーが。ヨーロッパ絵画にもあるけれど、円筒形の鏡に絵を映してみるとフツーに見える絵。誰が考えたんだろうなあ。
第3章 〈顕微鏡〉でのぞくミクロの世界
顕微鏡で拡大してみる世界。蟻だのなんだの虫の拡大図はちょいキモいけれど・・・
土井利位の雪の結晶のスケッチは美しい。この時代、こんなことに注目していた人がいるんだなと。
第4章 〈博物学〉で観察する
博物図鑑、ワタクシ大好き。だいたいにおいて、展覧会でちょっとしか見せてもらえないけれど(そりゃ仕方ないよね)、ぺらぺらと全部めくって見てみたいものだ。
栗本瑞見の「魚蟲譜」は金魚、鯉が描かれているのだけど、細部までよく描かれている。きれいだし。
広重の魚づくしが何点があったが(このシリーズは知らなかった)、ちょっとイメージしていた広重とは違った。
第5章 〈光〉と〈影〉を描く
最近、個人的に歌麿に注目しているので「銀世界」を見ることができてうれしい。
ここにもまたまた広重。「名所江戸百景 大晦日の狐火」はたぶん初見。ぼわっと浮かび上がる狐火が幻想的。
ちょっと国芳的だったのが広重の即興かげぼうしシリーズ。これは笑っちゃいますね。どれもよくやるよって感じなのだけど、中でも無理矢理感が強かったのが「らんかんぎぼし」。爆笑もの。前期で出てたのも見てみたかったなあ。
国芳といえば、よく見る「みかけハこハゐがとんだいゝ人だ」もきていた。何度見ても楽しい。
おもしろい切り口の江戸絵画展でした。
明日で終了ですので、まだの方は是非どうぞ。
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