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2014/07/05

【ヴァロットン展】

art-38 【ヴァロットン展】 三菱一号館美術館

1407051
スイス生まれ、パリで活躍したヴァロットンの回顧展に行って参りました。
ヴァロットン、過去にオルセー美術館展などで見ているのだが、ほとんど印象に残らず・・・
昨年、【三菱一号館美術館名品選2013 近代への眼差し印象派と世紀末美術展】で版画を見て、これはなかなかいい!と思い、この展覧会を楽しみにしていた。

1章 線の純粋さと理想主義
いきなり目に飛び込んできたのは「トルコ風呂」。アングルのあの作品に感銘を受けて描いたとか。アングルとは違って、なんというか無機質というか、冷たい感じ。
「20歳の自画像」は、神経質そう。その後の自画像も同じく。
「化粧台の前のミシア」のモデルは、ナビ派、ロートレックのモデルとなったミシカ。そうそう、この女性見たことありますね。

2章 平坦な空間表現
「ワルツ」は踊る人々の足が溶けそう・・・右下の人物の配置といい構図がおもしろい。
「肘掛椅子に座る裸婦」は、限られた色で塗られていてパッと目に入ってくる。椅子と床が一体化しそう・・・
「公園、夕暮れ」、「リュクサンブール公園」は、まさにナビ派!この2枚、好き。
スイスの山の木版画連作もいいなあ。
「ボール」も印象的。2つの視点で描かれており、前の部分は動的で明るく、後ろの部分は静的で暗い。おもしろい対比の絵である。

3章 抑圧と嘘
貧乏画家だったヴァロットンは大画商の娘と結婚するが、妻には3人の連れ子がおり、どうやらぎくしゃくした関係だったよう。
という関係を描いたのが「夕食、ランプの光」。ヴァロットンは後ろ姿で表情は見えず、他の家族はそれぞれ別の方向を見ていて、どうみても楽しい夕食とは思えない・・・
義理の母親や義理の息子を描いた絵もあった。「フェリックス・ヴァロットンのアトリエにいるマックス・ロッドリーグ=アンリーク」だが、壁には浮世絵がかかっている。ヴァロットンは浮世絵をコレクションしていて、影響も受けているそうである。
「ポーカー」はその家族を描いているが、中心になっているのはテーブルで、人物は小さく描いてあるだけ。

4章 「黒い染みが生む悲痛な激しさ」
木版画のコーナー。
昨年見て気に入った木版画だが、なんかユーモラスなんですね。暗い主題の画もあるのだが、決して暗いだけではない。
今回見て気に入ったのは、楽器のシリーズ。

5章 冷たいエロティシズム
この章は苦手な絵が多かった・・・
裸婦像が苦手・・・というわけではなくて、なんか見ていて落ち着かないのである。妙にリアルで、でも血が通っていないようにも思えて・・・ざわざわとする絵。

6章 マティエールの豊かさ
後期の作品群だが、色がとても鮮やかな作品が多かった。
「アフリカの女性」や「赤い服を着たルーマニア女性」など、服が鮮やか。
しかし、もっとも鮮やか・・・というよりかなりどぎついのが「赤ピーマン」。非常にリアルな絵で、ナイフに着いた赤い色は、血??ちょっとびっくりな絵。
さらにびっくりな絵は「臀部の習作」。うーん、これは飾りたくないな、家には(笑)

7章 神話と戦争
ヴァロットンの神話の絵はどれもパロディで、これ、発表した時どう思われたんだろうなあ(実際、不評だったのもあるらしい)。おもしろいけれど、戸惑ってしまうような。
「竜を退治するペルセウス」はなんだ?わに?筋肉ムキムキだし。
同じテーマの絵なら「立ち上がるアンドロメダとペルセウス」の方がいいですね。
第一次世界大戦時、従軍画家として戦場へ行ったヴァロットン。
廃墟となった建物を描いた油彩画は、戦争画と言われないとわからなかったが、木版画は結構重々しい。わずかなユーモアも感じられたが・・・

いろいろな顔を持つヴァロットンの絵。
とてもおもしろい展覧会でした。是非どうぞ。

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