« ローナ・バレット『本を隠すなら本の中に 本の町の殺人3』 | トップページ | 竹橋:百人亭 竹橋パレスサイド店 »

2014/10/24

【菱田春草展】

art-48 【菱田春草展】 東京国立近代美術館

1410241
国立近代美術館で開催されている菱田春草展に行ってまいりました。
10時ぴったりに到着したのだけど、チケット売り場には列が出来てるし、入ってみると、いやはや混み混み。大きい絵が多いから、まだ見られるけれど、なんでこんなに?菱田春草って地味だと思ってたのに・・・テレビでやったから???

1章 日本画家へ:「考え」を描く 1890-1897年
展覧会は17歳の時の作品からスタート。この年にしてこの完成度!完璧。優等生的ではあるけれど。
「寡婦と孤児」は東京美術学校の卒業制作で、主題の暗さから眉をひそめる教授が多い中、校長の岡倉天心の一声で主席となったという作品。確かに、見る者をちょっと不安にさせる絵ではある。
この章の最後の方の絵は、部分的にはすでに朦朧体といってもいいような作風だった。

2章 「朦朧体」へ:空気や光線を描く 1898-1902年
いわゆる朦朧体と揶揄された時代の作品たち。
今は、輪郭線がない絵もフツーだと思うのだけれど、この当時は非常に実験的だったのか、世間からかなり反発されたらしい。
輪郭線を描かないことで、空気や光線を表現したというのだが、ぼかしが効果的に作用し、風景が空というか空気に溶け込んでいくようで、幻想的な雰囲気もある。
まったく輪郭線のない作品もあったが、部分部分では輪郭線のある絵も。
重要文化財である「王昭君」はこの頃の作品で、美しい。
ワタクシ個人の趣味としては風景画の方が好きなのだけど。
大観との合作が3作品(そのうち1つは次章)。これは甲乙つけがたい・・・
「秋草」は、琳派的。

3章 色彩研究へ:配色をくみたてる 1903-1908年
さらに春草の「実験」は続く。
西洋の顔料を用いたり、大胆な配色をしたり、点描で描いたり・・・
「松に月」、「夕の森」など、確かに西洋絵の具の色が見てとれる。「夕の森」は配色も斬新で、試行錯誤しながらいろいろ試してみたんでしょうね。おもしろいと思う。
重要文化財の「賢首菩薩」も、細かい点描が用いられ、オレンジと青の組み合わせという、やはり大胆な色遣いで、これまた当時は受け入れられなかったようである。

4章 「落葉」、「黒き猫」へ:遠近を描く、描かない 1908-1911年
さらに春草は変化を遂げる。
まずは連作の「落葉」(今の時期は4作品のみ。重文は見られず・・・)。
奥にいくに従い淡く描くことで遠近を出しており、地面は描かれない。葉は、虫食いや枯れなど結構細かく、意外とリアル。そして、案外画面は明るい。
どれもいいのだけど、どうせならもう一枚も並べて見たかった・・・
「四季山水」は9メートル以上もある巻物で、春夏秋冬が描かれている。以前、一部分ずつは見たことがあるが、すべてを一時に見たのははじめて。季節の移ろいが見事に表現されている。
ちょっと異色なのが「風神雷神」。めずらしく漫画チックというかユーモラス。
ユーモラスといえば、猫のシリーズも。重要文化財の「黒き猫」の他にこんなに描いてたんですね(白いのもいる)。
構図はいろいろなのだけど、うーん、どれもかわいいぞ。
無背景に黒といえば、鴉もよく描かれているけれど、やっぱり猫だな~
毛並みが一番いいのは重文の「黒き猫」かも。
絶筆の「早春」と「梅に雀」でしめくくり。

36歳の若さで死去した春草。もっと長生きしていたら、さらにどれだけ素晴らしい画を描いたことか。残念。

今回の展覧会で、さらに春草が好きになりました。
猫に是非会いにいって見て下さい。

« ローナ・バレット『本を隠すなら本の中に 本の町の殺人3』 | トップページ | 竹橋:百人亭 竹橋パレスサイド店 »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/65565/60537430

この記事へのトラックバック一覧です: 【菱田春草展】:

« ローナ・バレット『本を隠すなら本の中に 本の町の殺人3』 | トップページ | 竹橋:百人亭 竹橋パレスサイド店 »

twitter

google


  • Google

    WWW
    ブログ内

amzon