【ボストン美術館 浮世絵名品展 北斎】
art-47 【ボストン美術館 浮世絵名品展 北斎】 上野の森美術館
上野でやっているボストン美術館浮世絵名品展に行って参りました。
平日だったのに、10時に到着したら、もう長い列が・・・
そして、中も人、人、人・・・
見終えるのに2時間半もかかってしまったけれど、見る価値あり!
第1章 稀品と優品でたどる浮世絵版画70年
70年にも及ぶ北斎の画歴を年代順に紹介。こう見るとなんと多才なんでしょう。実験的なものもたくさんある。
1 春朗時代の小品
デビューしたての頃の作品群。これは貴重なコレクション。
まだこの頃は多色刷りじゃないんですね。
2 初期の浮絵群
西欧の透視画法を取り入れた浮世絵。
一定の視点からでないものもあるけれど、ちゃんと奥行きがある。カラフル。
3 浮絵から洋風版画へ
おおっ、細かい。まるで銅版画風だけど、木版画なんですね。
4 壮年期の多彩な作品
五十三次というと広重だけど、北斎も描いてたのか。もっと見てみたい。
六歌仙シリーズは、文字絵。着物のあたりに人名が書かれているのだけど、うーむ、わからない部分も。解説が横にあったらよかったのだが。
めずらしい団扇絵も。後からはがしたのだろうか、跡がついていた。
組上絵もおもしろい。切り取って組み立てるものだから、そのまま残っているのはめずらしいとか。北斎の遊び心が楽しい。
5 為一時代の風景版画
ここは誰もが知っているコーナーでしょう。
「富嶽三十六景」は一通り見ているはずだけど、記憶にない作品も結構あったりして。しかし、刷りによって印象も変わるものですね。
好きなのは「神奈川沖浪裏」、「甲州三嶌越」。
「諸国瀧廻り」は斬新。8枚全部を見ることができる。きりふりの滝はまるで木の根っこみたいだし、阿弥陀ヶ滝は明らかに滝が流れ出るところと落ちるところ、視点が違う。抽象画?
「諸国名橋奇覧」も楽しい。今回5枚。デフォルメはされているだろうけれど、よくもまあおもしろい橋を集めたものだ。昔の亀戸天神のたいこ橋ってこんなだったの?
そして、そろいで見た雪月花、美しい。
6 華麗な花鳥版画
こういうのもあったんですね、北斎に。あまり今まで見たことがなかった気がする。
花との組み合わせで、鳥はわかりやすいのだけど、蛙はどこにいるのか探してしまった。構図がおもしろい。
7 為一期のその他の作品
「百橋一覧」。よく描いたなあ、橋。でも百あるのかな?もっとゆっくり見たかったところだった。
長大判は長いので、なかなか大胆な構図になっている。「牧馬」、迫力だ。鯉の絵も。
「百物語」は妖怪絵で、100枚に及ぶ揃物として企画されていたらしいのだが、5図しかないらしい(今回すべてあり)。妖怪だから怖いかと思いきや、ユーモアに溢れている。さすが、北斎らしい発想。
8 最晩年の作品
「百人一首うはかゑとき」シリーズも100点の予定が、版元の破産と難解さで頓挫したという。確かに、絵を見ても意味はわかりづらかったりして(基礎的な知識が足りないのかも)。
第2章 華麗な揃物と稀覯本
これは貴重。
一般に普及していたものと違い、注文製作なので、贅沢。
紙質もいいし(凹凸があったり)、色もキレイ。
もちろん、注文したのはお金持ちなんでしょうねぇ・・・
第3章 肉筆画と版下絵・父娘の作品
肉筆画もいいなあ。ささーっと描いた感じはあるのだけど、味わい深い。達磨の絵、好き。
ラストは、北斎の娘、応為の「三曲合奏図」。美人画では父親を上回るとも言われているけれど、残っている作品が少ない。貴重な作品が見られてうれしい。
3人の女性の描き分けがなかなかに細かい。
いやー、ボストン美術館、いい作品をたくさん持ってますね~
北斎ファンの方は是非どうぞ。
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