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2014/11/23

【チューリヒ美術館展】

art-53 【チューリヒ美術館展】 国立新美術館

1411231
国立新美術館で開催されているチューリヒ美術館に行って参りました。
何年か前にスイスを旅行した際、チューリヒは滞在時間が短く残念ながら、この美術館は訪ねることができなかった。
今年はスイスとの国交樹立150年ということで、スイスにちなんだ展覧会がたくさん開催されたが、おおとりがこれ!楽しみにしてきた。

ホドラー展の半券を持っていると100円引きになりますよ。

展示は、画家によって部屋が別れており、大変見やすい構成。

1 セガンティーニ
セガンティーニの2枚からスタート。
セガンティーニというとアルプスの風景を連想するが、この2枚は象徴主義の作品。寓意がこめられた絵なのだが。「虚栄」の方がわかりやすい。

2 モネ
モネの部屋だが、ロダンの彫刻とドガも1枚。
ドガといえば、踊り子と競馬だが、今回は競馬。鮮やかなパステル画。
この部屋に入ってパッと目に入ってくるのはモネの「睡蓮の池、夕暮れ」という大作だが、ほぼ抽象画である。晩年の作品で、視力をほとんど失っていたために原型をとどめていない絵を描いたのでは?とも思えるが・・・
大好きな積みわらも一枚。大きな積みわらの絵で、配置というかバランスがおもしろい。これも好きなのだが、「国会議事堂、日没」も美しい。

3 ポスト印象派
ゴッホが2枚。「タチアオイ」はゴッホ?と思える枝が、その2年後に描かれた「サント=マリーの白い小屋」はゴッホらしい片鱗が。後年の病的な感じはなく、明るい絵である。
セザンヌは「サント=ヴィクトワール山」。サント=ヴィクトワールの絵は追いかけているのだが、これははじめて。最晩年の絵だがおもしろい。かなり大きな塗りだし、塗り残しなのかわざと塗り残しに見えるように塗ったのか・・・
アンリ=ルソー「X氏の肖像」、手の不自然さ、まったく動きを感じさせない人物と猫、顔の不思議な向きとなんか変なのに見入ってしまう絵。
ゴーギャンの「花の偶像のある静物画」。カラフルな静物画だが、後ろに描かれた偶像が不気味。

4 ホドラー
先日見てきたホドラー展に続いてのホドラー。今年はホドラーをたくさん見たな。
「真実、第二ヴァージョン」はこれこそホドラー、パラレリズム。
「ケ・デュ・モンブランから見たサレーヴ山」には白鳥が描かれているが、これもリズム。ホドラー展には晩年のレマン湖の絵に白鳥が描かれたものがあったっけ。
今回はこの絵が一番気にいった。
「日没のレマン湖」は風景画におけるパラレリズム。

5 ナビ派
ボナールが2枚。ボナールというと室内風景というイメージ。そして、妻のマルトを描いたものが多い。「〈ブラック〉あるいは〈犬と一緒にいる女性〉」もマルトがモデル。犬が情けな顔でかわいい。
ヴァロットンが4枚。今年、ヴァロットン展も行ったなあ。
男女を描いた「訪問」、裸婦を描いた「トランプで一人遊びをする裸婦」はヴァロットンが好んでよく描いた題材だが、相変わらず冷たい絵である。不思議。
風景画「日没、ヴィレルヴィル」は抽象画に近く、「アルプス高地、氷河、冠雪の々」は氷河がまるで流れるよう。

6 ムンク
一番ムンクらしいのは「冬の夜」だろうか。うねりと、暗い感じと。
「ヴィルヘルム・ヴァルトマン博士の肖像」のモデルはチューリヒ美術館初代館長だそう。これはムンクにしては明るい絵。

7 表現主義
ベックマンは今まであまり見たことがなかった画家だが、インパクトあるなあ。黒く太い線とか、画面いっぱいの肖像画とか。もっとまとめて見てみたい。
バルラハの彫刻、いい。

8 ココシュカ
ウィーンでたくさんココシュカを見てきたが・・・
初期の頃・・・アルマ・マーラーとの恋~失恋~戦争で精神のバランスを崩した頃
の絵は見る者を不安にさせる。「プットーとウサギのいる静物画」はアルマと自分と二人の間の堕胎した子供が描かれているのだが、怖すぎる・・・
精神状態が快復した頃の作品「恋人と猫」は色は明るくはなっているが何か変。
「モンタナの風景」は後年の作品だが、別人のように明るい絵で、これが一番好き。

9 フォーヴィズムとキュビズム
マティスが2枚。ワタクシのイメージするマティスっぽくはない。
ピカソとブラックが2枚ずつ。
キュビズムの2人だが、ピカソのキュビズム的絵画がブラックよりで、ちょっと似ている。
ピカソ「大きな裸婦」は裸のマハに着想をえたとのことで、うーむ、確かに構図はそうだな。顔は2方向から描かれ、足は異様に大きくねじれているので、マハとは思わなかった。

10 クレー
「狩人の気のもとで」はまるで古代の壁画と思ったのだが、実際そういったものや象形文字などからインスピレーションを得ていたという。
「スーパーチェス」、いいなあ。幾何学模様で。

11 抽象絵画
大好きなカンディンスキーが一枚。楽しい絵だ。カンディンスキーも音楽と比較していたようだが、音符や楽器に見えてくるから不思議。
モンドリアンもいい!赤と青、と黄色と。全編モンドリアンだったら飽きちゃうのかもしれないけれど。

12 シャガール
いきなり「聖家族」で唖然。子供のイエスがひげ面(笑)。いったいこれは・・・
うってかわって、「窓から見えるブレア島」は人も飛んでないし、牛や馬や鶏もいないし、ごくフツー。
まあでもシャガールといえば人が飛んでないと(笑)
「婚礼の光」は死んだ妻ベラの思い出を描いているのだが、青が基調で寂しい。
「パリの上で」では黄色と赤が基調となっていて暖かみのある絵となっている。

13 シュルレアリスム
キリコ「塔」。陽があたっているように見える塔と、暗い影と。今度、キリコ展に行くのが楽しみだ。
マグリット「9月16日」は樹木の向こうに?三日月が見えるという、マグリットらしい絵。これも夜なのか昼なのか・・・いいなあ、マグリット。
ダリ「バラの頭の女」はやはり何を意味するかよくわからないモチーフが描かれていて、うーんとなってしまう。でも好きなんだな、ダリ。
ミロの2枚は、初期の頃のなので、まだわかる。

14 ジャコメッティ
ジャコメッティの彫刻ってなんでこんなに細いんだろうか(笑)
おもしろいんだけどね。

スイスにまつわる画家の作品もたくさんあったし、見やすい展示で楽しめました。
是非とも!

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