マージェリー・アリンガム『窓辺の老人 キャンピオン氏の事件簿Ⅰ』
本日の本
book-37 『窓辺の老人 キャンピオン氏の事件簿Ⅰ』 マージェリー・アリンガム著 創元推理文庫
STORY:20年間の間、毎日7時間半かかさず社交クラブの窓辺に座り続けていた老人が亡くなった。しかし、翌日またその老人が現れて・・・表題作他7編とエッセイ1編。
☆☆☆英国四大女流ミステリ作家の一人、アリンガムの短編集。
イギリスの四大女流ミステリ作家とは、アガサ・クリスティ、ドロシー・セイヤーズ、ナイオ・マーシュ、そしてアリンガム。
クリスティはミステリ作品はすべて読んだが、セイヤーズはピーター卿の短編集のみ、マーシュは一つも読んだことがない・・・はず。
アリンガムも読んだことないなあと思っていたが、この短編集のはじめに載っている「ボーダーライン殺人事件」は読んだことあったらしい・・・江戸川乱歩編集の『世界短編傑作集3』に入っていたとのこと。うーん、でもこれ読んだの子供の頃だからなあ。全然覚えてなかった。
探偵はアルバート・キャンピオン。ひょろりとした長身の青年であまり特徴はないのだけど、やんごとない家の出で本名を隠して(ルドルフとしかわからない)気ままに生きている、という設定。
まあだいたい、昔の探偵小説の探偵は個性豊かなことが多いけれど、キャンピオンははじめあまり個性が感じられず・・・
うん、でもこんな地味目な探偵もいいですね。たよりなげに見えるけど、意外に骨もあったりして。
「ボーダーライン事件」は真相を知るとちょい脱力しそう。わかってみるとなーんだと思うけど、なるほどねという話。
「窓辺の老人」は、なぜ老人は座り続けていたのかという謎と、死んだはずの老人がなぜまた現れたかが最後にわかる仕掛け。
「懐かしの我が家」ははじめからなんとなく結末がわかってしまった。いい結末ではあるけど。
「怪盗〈疑問符〉」は怪盗がなぜ疑問符と言われるのかに笑ってしまった。
「未亡人」は冒険物っぽい。
「行動の意味」はスパイ物っぽい。
キャンピオン氏の推理力は発揮されないけれど、「犬の日」、ほのぼのとしていて、これ好き。
2作目も出るようで。是非読もう!
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