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2014/12/07

【ジョルジョ・デ・キリコ展】

art-55 【ジョルジョ・デ・キリコ展】 パナソニック汐留ミュージアム

1412071
パナソニック汐留ミュージアムで開催されているキリコ展に行って参りました。
土曜の仕事を終えて午後行ったのですが、行列。入場制限をしていて20分待ちとか。びっくり。
人が出てくると新たに人を入れているようだったのだが、これは正解かも。
おかげで、中はそれほどストレスなく見られたので。小さい美術館にぎゅうぎゅうじゃ大変だったでしょう。

Ⅰ 序章:形而上絵画の発見
画商の「ポール・ギョームの肖像」からスタート。これは形而上絵画というわけではなく、普通。
「福音書的な静物」「遠い友からの挨拶」「謎めいた憂愁」は形而上絵画。
それぞれがバラバラな静物が描かれ、何を表しているのか謎、そして遠近法の焦点がずれている。
なぜか、ビスケットはよく描かれているのだけど、これは何を意味してるんでしょうか?意味はないのかな。
とにかくよくわからないけれど、惹きつけられる絵。

Ⅱ 古典主義への回帰
イタリア旅行をしたキリコは、カッラという画家が我こそは形而上絵画の第一人者と名乗っており(カッラの方がまねっこのようだけど)二番煎じと扱われていたこと、ボルゲーゼ美術館で古典に感激したことで、作風を変えていく。これが古典主事への回帰。
「自画像」は非常に精緻に描かれているもの、首から下は石膏化しているようで今にも崩れそう。
もっとも古典に回帰したといえる作品は「林檎と葡萄のある静物」だろうか。キリコというよりちょっとルノワール風。
しかし、完全に古典を描いたというわけではなくて、その後も出てくるモチーフ馬を描いた「白い馬」や「剣闘士の休息」(マネキンも描かれる)など不思議。
「谷間の家具」はデベイスマン(無関係なものを異なる文脈に置く)の手法を用いているのだが、なぜここに家具が??
素描もたくさん展示されいていたが、いやはや上手いのである。わざと変に描いていたんだなということがよくわかる。

Ⅲ ネオバロックの時代-「最良の画家」としてのデ・キリコ
キリコはさらにネオバロックへと移行。
いやはや馬だらけ(笑)
その馬が、ルーベンス風のたてがみ(もっと長く立派でうねったたてがみ)を持つ馬、古代の建物、転がる円柱といった組み合わせ。
「白馬の頭部」は大迫力。
二番目の妻イザベッラ(コレクションをパリ市立近代美術館を寄付した。この展覧会はその作品群が中心)をモデルとした作品も。このあたりはキリコのイメージとは遠い作品である。
風景画と静物画の組み合わせ(風景の中・・・手前に静物画が)は斬新。こんなシチュエーションはないので、なんか変な感じ。風景、静物各々はうまいのだけど。
ヴェネツィアの風景画は、とても美しい(変なところはない)。

Ⅳ 再生-新形而上絵画
その後、キリコは形而上絵画へと回帰する。
以前と同じテーマで描いたり、ちょっとだけ静物を置き換えて描いてみたり。
初期の形而上絵画が高騰したため、画商がそうした作品を欲しがり描かざるを得なかったのか・・・
正直、どっちが形而上絵画か新形而上絵画かは言われないとわからなかったりするし、実際に描いた年より昔の年を書いたりしているのでややこしい。
特に気にいったのは、「イタリア広場」。以前にも描いているテーマだが、微妙に異なっている。奇妙な静けさを感じる絵。
あと、「噴水と邸宅の風景のある形而上的構図」もおもしろい。なんでこんなものが!と思いつつ眺めているとあっという間に時間がたってしまいそうだ。
チラシの絵「古代的な純愛の詩」はやはり以前描いた作品に似ているが、モチーフは少しずつ異なる。

Ⅴ 永劫回帰-アポリネールとジャン・コクトーの思い出
晩年、かつて自分が描いたアポリネールやコクトーの詩集の挿絵を元に作品を描いたキリコ。
キリコといえば、黄色のイメージなのだけど、晩年は色がカラフルになって、昔感じられた不安や静けさは減ったように思う。不思議さは変わらないけれど。
「燃え尽きた太陽のあるイタリア広場、神秘的な広場」は太陽とその影が強烈。
「エブドメロスの帰還」「オデュッセウスの帰還」にはボートを漕ぎつつ帰ってくる人物が描かれているのだけど、この頃はこのモチーフがお気に入り?ユーモラス。
「神秘的な動物の頭部」はちょっと悲しげな馬が描かれているのだが、よく見ると古代の神殿や建物からできている。キリコの肖像画とのことだけど、目が寂しげなのが気になる。

キリコも形而上絵画だけじゃなかったということがわかった展覧会。
若い頃の形而上絵画の展示はあまりなかったけれど、楽しい展覧会でした。
キリコに興味のある方は是非どうぞ。

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