レーナ・レヘトライネン『要塞島の死』
本日の本
book-39 『要塞島の死』 レーナ・レヘトライネン著 創元推理文庫
STORY:出産休暇の最後の週末を利用して、家族とともにかつて要塞だったというレードシャール島を訪れたマリア。昔の恋人が事故死した島だったが、島を所有する会社の社長が死体で発見される。休暇明け、警部に昇進したマリアが捜査を開始する。
☆☆☆フィンランドミステリ第3弾。
前作では妊娠中にも関わらず、かなり無理しながら事件捜査にあたったマリア。
今作ではめでたく警部に昇進、ライバルのストレムに勝って課のボスにもなる。
マリアの休暇が明けると同時に、夫が育児休暇をとって娘をみていて、さすが、北欧、進んでるなあ。きっと自然なことなんでしょうね。
マリアは自分が面倒を見ないよくない母親だと悩みつつ、次々起こる事件は待ってはくれない。
今回の事件は、かつての恋人が亡くなった島で、死体が発見されるというもの。殺人であることが判明するのだが、昔の恋人ももしかして事故死ではないという疑惑が・・・
昔の恋人が亡くなった島を見てみたいと思って出かけるとか、殺された社長の異母弟になんとなく惹かれてしまう、というのはちょい問題だとは思うのだが・・・
今回もマリアは全力捜査。
推理部分は弱いものの、フィンランドの自然や、女性の社会進出、エコ問題などが興味深く、おもしろかった。一気に読めた。
けれど、本体の事件よりもショッキングだったのが、ライバルだったストレムの話。
ストレム、人種差別はするし、女性蔑視だし、ヘビースモーカーのアル中で、当然ながらマリアとは衝突してばかりで、ほんとやなキャラで大嫌いだったけれど、何もあんなことにならなくとも・・・
次も楽しみに待ちます。
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