【芳年と国周展】
art-12 【芳年と国周展】 太田記念美術館
本日も、有休消化のため早退。
雪がたくさん降ってたらやめようと思っていたのだが、幸い雨だったので、太田記念美術館に行って参りました。改装後初。
絨毯とか綺麗になりました?ガラスも新しくなりました?
今回の展示は明治の浮世絵師、月岡芳年と豊原国周のそれぞれ、「風俗三十二相」と「見立昼夜廿四時之内」を中心とした展示会。
まずは畳を上がったところの肉筆画コーナー。
国芳、三代豊国、国周などもあったが、一番びびっときたのは梅堂小国政の「地獄太夫図」。地獄太夫は山賊にさらわれて売られ、自ら地獄太夫と名乗るようになった遊女で、着物の柄が地獄図。インパクトがある。
続いては芳年の「風俗三十二相」。
三十二相とは、仏教用語で仏が備える優れた身体的特徴を数えたもの、とのことだが、これにかけて描かれた美人画のシリーズである。なかなかにユーモラス。
お気に入りは「うるささう」と「あったかさう」かな。いずれもネコがいる。
うるさそうは、抱えられたネコがうるさそうにいやがっている感じで、先日見たルノワールの絵(女性に抱えられたネコが嫌そうな顔をしてる・・・)を思い出した。
あったかそうは、こたつの上にネコが丸まっていて、こたつに入っている女性も暖かそうだが、ネコもあったかそうなのであった。
くすりと笑ってしまうのは、「いたさう」、「けむさう」、「おもたさう」など、口を曲げていたり、いやがっていたりする図。リアルに描かれている。
「のみたさう」も笑ってしまう。相当、酒好きですよ、この女性。
「遊歩がしたさう」は女性が洋装で、さすがは明治に描かれたもの。モダンである。
そして国周の「見立昼夜廿四時之内」。
身分、職業の違う女性たちが24時間の各時間ごとに描かれていて、これまた楽しい。
夜中には夜泣きしてる赤ん坊をあやす母親だったり、食事時には支度をしている女性だったり、子供にご飯を食べさせている図もあったり、くつろぐ時間もあったり、勉強をしている女性もいたり、縫い物をしているのもあったり・・・
ホント様々である。
ここにもまたまたネコ登場!午後八時の図である。縫い物をしている女性が持つ布にまとわりつくネコ。ついつい、ネコが描かれていると惹かれてしまいますね。
芳年、国周より前の時代にも三十二相、時間で描くシリーズもあったようでいくつか展示あり。
その他、国芳作品では、これまたネコ登場の作品があってうれしい(国芳といえばネコですからね)。
また、芳年、国周以降の絵師たちの作品もあった。
水野年方ははじめて見たかと思うが、線が細く繊細な感じでなかなかよい。
昭和のはじめの作品まであったが、やはり題材がモダンで不思議な感じもする。袴姿の女学生など、まさにハイカラさん!
楽しい展覧会でした。
新しくなった美術館に是非どうぞ。
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