【写楽と豊国展】
art-11 【写楽と豊国展】 三鷹市美術ギャラリー
今月は有休消化月。ということで、変則的にたくさん休んでいるのだけど、今日も1時間早く仕事を終えたので、チャンス!帰りに三鷹市美術ギャラリーに寄った。
夕方という時間帯だったからか、天気が悪く寒かったからか、ほぼ貸し切り状態で、ゆっくり鑑賞することができた。
Ⅰ 写楽・豊国とその周辺の絵師たち
写楽と豊国展といっても、その二人の作品だけではない。周辺の絵師の作品もたくさん。
写楽周辺の絵師
浮世絵は大好きなワタクシではありますが、一番苦手としているのは役者絵。歌舞伎はとんとわからないし、役者も知らないから(当たり前か)。
まあそれでもたくさん見ていれば、だんだん役者の顔はわかってくるもの。
ではあるが、この人は知らなかった。中山富三郎。この役者さん、女形にしては容貌魁偉だったらしいのだが、歌麿の絵ではまあそれほどではないのだけど、次の章に登場する写楽の絵と言ったら!ちょっとやり過ぎては・・・といって実物見たことないからわからないけれど。
十返舎一九の絵が一枚あったが、この人、絵も描いてたんですね。驚き。
写楽の役者絵
東洲斎写楽、なんともミステリアスな絵師ですね。
わずか10ヶ月の間に140枚の作品を作り、忽然と姿を消した絵師。いったい誰だったんでしょうね(諸説あり)。
今回は8点展示があったが、どれも大迫力。
多少デフォルメもあるのだろうけれどインパクトあり!
お江戸の人気力士たち
これは楽しいコーナー。ワタクシ、相撲好きなので。
中でもユーモラスで笑ったのが、大童山という、7歳にして巨漢だった子供力士を描いた作品。
これまた写楽の3点セットがよかった。
ミスお江戸
歌麿、豊国、清長等の美人画。
美人画といえば歌麿だけれど、案外気にいったのが豊国。美人画であるとともに風俗画でもあって細かく見ても飽きない。洗濯をする女性、弓遊びをする女性たちなどなど。
気にいったのは、「富士山遠望姫行列」。それぞれ個性があるし、中央に配された富士山もよい。
北斎も1枚あったが、若い頃の作品でおとなしめ。
今日、新しく覚えたのが、紅嫌い。紅色などの派手な色を使用しない多色刷りだが、これはこれで渋くてよい。
Ⅱ 豊国の系譜
役者絵
豊国や国貞等の役者絵。
国貞展、昨年太田記念美術館で見てきた際は、役者絵にはあまりぴんとこなかったのだけど、今回見た中では、楽屋錦絵シリーズが気にいった。
役者さんだけでなくて、まさに楽屋にも焦点があたっていて、これが楽しい。舞台裏を見ているようで。
肉筆画
展示ケースに飾られていたのは美人画の肉筆画。
いろいろな絵師の作品があったが、一番気にいったのは、豊広(豊国と同門)。繊細で美しい。
美人画
豊国の「両国花火之図」は美人画の範疇?人、人、人で、当時の花火にも大勢の人が集まったのだなあと。なかなかにダイナミックな作品。
そして、この分野でも国貞がいいなと。ホント、国貞展行ったときはそれほどと思わなかったのだけど、いいないいな。行灯、水くみなど風俗画的な作品が特に気にいる。
あまり美人画という印象のない国芳も2枚。シルエットを描いてみたりで、モダン。
これまた印象のない広重も。美人画とも風景画とも言えるところが広重らしい。
そして、芳年のもあった。フツーに美人画であることに驚く・・・
役者絵
三代豊国や国芳の役者絵ともなるとだいぶカラフルになりますね。
さすが!芳年の役者絵となると、やはり血みどろ・・・
あまりたくさん見てると嫌になるけれど、この頃こういうのが受けたんでしょうかねぇ。
それほど期待していなかったのだけど、思った以上に楽しめた展覧会。
美人画、役者絵が好きな方は是非どうぞ。
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