【花と鳥の万華鏡展】
art-13 【花と鳥の万華鏡展】 山種美術館
昨日は仕事がお休み。
ということで、山種美術館で開催されている【花と鳥の万華鏡展】に行って参りました。
1点をのぞきすべて山種が所蔵する作品で構成された、花鳥画の展覧会。花鳥画は大好きなのと、速水御舟の「翠苔緑芝」が見たくて行くことにした。
まずは御舟の「墨牡丹」から。墨を重ねて描いた黒い牡丹(実際は黒の花はないそう。紫らしい)、美しい。
第1章 花と鳥の競演
はじめは雉や鷺などの絵が並ぶ。
羽根の一枚一枚まで細かく描かれているものあり、きりりとした雉あり(荒木寛畝)、かわいらしい雛が描かれているものあり(橋本雅邦)。
瀧和亭の「五客図」は北宋の李昉が五羽の鳥を客にたとえて呼んだことから命名されたとのことだが、1つだけ聞き慣れない鳥が。白鷴である。見終わったあとに調べてみたら、中国にいる雉の種類とのことだった。白と黒、頭が赤となかなかに目立つ鳥。この絵でも一番下に描かれているのがそれだったか。一つ勉強になりました。
回顧展を見損なってしまった松林桂月は「春雪」。雪と南天の実の対比がいい。
鈴木其一の「四季花鳥図」はまさに琳派な作品だが、ゴージャス。右に春夏の花と鶏の親子、左に秋冬の花とおしどり。
美術館に入った時から向こうに見えていたのが上村松篁の「白孔雀」。いやー目立つ目立つ。ほぼ尾っぽでしめられているのだが、構図がおもしろい。やはり構図がおもしろい「千鳥」の方がワタクシは好き。
花鳥図といっても、鳥や虫だけでなく、愛玩動物が描かれたものもその範疇に入るらしい。西村五雲の「犬」もかわいいのだが、なんといっても奥村土牛「兎」がねー、かわいんですよ。
そして、真打ち!
御舟の「翠苔緑芝」である。紫陽花の実験的な描き方とか見どころはいろいろあると思うのだが、なんといっても黒猫と兎。黒猫の金目、くつろいでびよーんと伸びてる兎。かわいくて、思わず付箋をかいそうになってしまったが、絶対使えないので買うのは我慢。
荒木十畝の「四季花鳥」。これは派手ですねぇ。色調もなのだが、これでもかというくらいに花が描かれている。鮮やか。
第2章 花の世界
田能村直入(竹田の弟子)の「百花」が楽しい。まさに百科事典のように百の花を描いた巻物だが、一つ一つに花の名前があったらなあ・・・ワタクシ、あまり花に詳しくないのでわからない花が多すぎるのが残念。
御舟の「牡丹(写生)」はさらさらっと描いた感じであるが、写生帖がいいですね。これ、全部見てみたい。
気にいったのが、菱田春草の「月四題のうち「春」」。桜(かな?)の向こうに浮かぶおぼろ月。抑えた色調で落ち着いた感じ。
上村松篁の「花菖蒲」もよかった。今までそんなに松篁って好きな画家じゃなかったのだけど、好きになりつつあるかも。
第3章 鳥の世界
ここはなんといっても竹内栖鳳でしょう。
「双鶴」は画面いっぱいに2羽の鶴が描かれていて、迫力ある絵になっているし、「憩える車」は水車の上にゴイサギがとまっているというおもしろい図だが、「みゝづく」、そしてなんといっても「鴨雛」がかわいいこと!これ好き。
御舟の「百舌巣」も愛らしい。
川合玉堂の「鴨」は今まさに飛び立った鴨が描かれているが、動きが感じられる絵。
橋本関雪の「急湍翡翠」は翡翠色のカワセミが雪の中を飛ぶ姿が描かれていて、その色にはっとさせられる。
花鳥画がお好きな方は是非どうぞ。
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