ミネット・ウォルターズ『養鶏場の殺人/火口箱』
本日の本
book-11 『養鶏場の殺人/火口箱』 ミネット・ウォルターズ著 創元推理文庫
STORY:エルシーはノーマンとつきあうことになるが、職を失ったノーマンは養鶏場を開く。経営がなかなか軌道に乗らない中、エルシーから結婚のプレッシャーをかけられて・・・養鶏場の殺人他1編
☆☆☆ウォルターズの中編集。
長らくミネット・ウォルターズは苦手な作家だったが、去年『遮断地区』を読んでとてもおもしろかった。でもこれはウォルターズにしては異色の作品かと思ったので、おそるおそる今度は読みやすいと言われているこちらにチャレンジ。
なんでも、この2作は普段本を読まない人向けに書かれたという。
確かに、読みやすい。
が、「養鶏場の殺人」は、結婚したくて仕方のない精神不安定なエルシーという主人公がホントやな女で、そして、そんな女に追い詰められるノーマンが哀れで、サクサク読めるけれども不愉快さマックス。いやー、怖い。
最初に結論は示されているので、謎解きのおもしろさがあるというタイプではないけれど、なぜ破滅に向かうことになったかという心理サスペンス的おもしろさがある。あ、これ、ルース・レンデルの『ローフィールド館の惨劇』的な作品ですね。
うーん、レンデルは昔好きで次々読んだものだけど、なんでウォルターズが苦手なんだろうな。
好みからいうと『火口箱』の方がいい。
閉鎖的社会の中での事件で、これもある意味不愉快さがあるのだけど、読み終わってへーなるほどとなる。
これはだまされましたね。短い中に、思いがけない展開があって、うまい。
次は何にチャレンジしよう?
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