【片岡球子展】
art-19 【片岡球子展】 東京国立近代美術館
生誕110年、片岡球子展に行って参りました。
片岡球子、長生きでしたよねぇ。最後まで意欲を失わなかったということろはスゴイね。
第1章 個性との闘い-初期作品
片岡球子というと、強烈な色彩とデフォルメが特徴だが、初期は正統派の日本画だったわけで・・・
「枇杷」はこれこそ正統派。後年からは考えられないほどおとなしい絵である。
「炬燵」も色合いこそおとなしめだし、炬燵布団の柄は相当細密に描かれているけれど、すでに形はゆがんでるんですね。
そして、枇杷から10年もたつとかなり球子らしい感じになっているのである。
第2章 対象の観察と個性の発露-身近な人物、風景
球子といえば、山。後年の富士山は印象的だが、球子にとって富士山は意外に難しい題材だったようで・・・
あらゆる角度から描いていて、結構実験的な作品もあり。こんなカラフルな富士山はありえないのだけど、なんだか見入ってしまう。
それより気にいったのは、火山を描いたシリーズ。ごつごつした岩肌の表現がダイナミック。火山の荒々しさがうまく表現されている。球子の画風にあった題材なのかもしれない。
そして、岩といえば、海もなかなか。
第3章 羽ばたく想像の翼-物語、歴史上の人物
球子のライフワーク、面構シリーズ。
歴史上の人物がかなりデフォルメされて描かれているのだが、絵師を描いた作品にはその中に対象となった絵師の絵も描かれていたりしてなかなかおもしろい。
片岡球子はずっと苦手だったのだけど、面構シリーズの北斎を見てから、このシリーズは見てみたいと思っていたのだった。今でも決して得意な画家ではないけれど。
国芳と、国芳の鯨の絵と、その絵を持っていた浮世絵研究家が描かれた絵は、同時に存在しているという不思議な絵である。
足利尊氏、義満、義政を描いた3点は、人物もかなりデフォルメされていると思われるけれど、色が赤、青、緑(顔が!)で、さすがにあまり気持ちのいいものでは・・・
第4章 絵画制作の根本への挑戦-裸婦
78歳にして裸婦へ挑戦することになった球子。
いやはやスゴイよね。
これまた、緑だったり、焦げ茶だったり・・・
ポーズもこりゃなんだ?というポーズだったり。前衛的(笑)。
空間に漂っているようにも見える。
最後までチャレンジングだった人なんですね。感心。
スケッチブックをまとめて展示した部屋もあったけれど、スケッチの段階ではフツーに描かれているかと思いきや、もうこの段階で立派に球子の絵(笑)。
いやあ、なんか圧倒された展覧会でした。
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