モー・ヘイダー『喪失』
本日の本
book-17 『喪失』 モー・ヘイダー著 ハヤカワ・ミステリ
STORY:当初は単純な窃盗と思われた事件だったが、同様に車の後部座席に乗っていた少女が姿を消す事件が過去にもあったことが判明。やがて犯人は卑劣にも次々と挑発してくる。
☆☆☆2012年のエドガー賞受賞作。
キャフェリー警部物の第5作だそうである。
1,2作目は翻訳されているが(未読)、飛んで5作目が先に翻訳された。東野圭吾と賞を争ったという話題があったからでしょうね。
もちろん、この5作目から読んでも問題はないのだが、若干わかりづらい点も。
潜水捜査隊隊長のフリー巡査部長との関係(おそらく前作からの「事件」を引きずっているものと思われる)、警部の悩みというか心の闇が、きっと前の作品を読んでいればもっとわかりやすかっただろうと思うのだ。
そのせいもあるのか?どうも警部の心情に入り込めないというか、共感しづらく、すーっと入っていけない部分がある。むしろ、まだ、フリー巡査部長の方が感情移入しやすかった。この人物も問題はあるのだけど。
物語は、単純なカージャックかと思った事件が、狙いは少女であったことが判明、次なる事件も起きるという展開。
自身、子供の頃に兄が小児性愛者に殺されるという経験を持つ警部が、必死になって犯人を追うのだが、これ、いくらなんでもこのままの展開じゃないよねーと思っていたら案の定。あ、でもこの展開ははじめ全然予想してなかった。途中ヒントはあるけれど。
おもしろかったけれど、今更1、2作目を読んでみるかどうかは考慮中。
この日本題はうまいと思う。
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