【大英博物館展】
art-32 【大英博物館展】 東京都美術館
都美術館で開催されている大英博物館展に行って参りました。
大英博物館というと、たくさんの物、もの、モノというイメージなのだが、その中から100点を選んでの展示ということでどんな具合になっているのか・・・
プロローグ
プロローグでは棺を。そういえば大英博物館にはたくさんあったっけ。
古代エジプトの棺、小さいなと思ったが、男性が入っていたとか・・・
それに対して大きいのが現代ガーナの棺。立派。しかし、ビール瓶だとかナマズとか好きな形に作るんですね。ワインの棺とかいいなあ。
第1章 創造の芽生え
まずは道具である。
001オルドヴァイ渓谷の礫石器は微妙で、単に石が落ちて割れただけ?と思えなくもないのだが、002握り斧になるとかなり道具感が出てくる。
003トナカイの角に彫られたマンモスは、投槍器の一部とのことだが、実用性だけでなく芸術性も備えている。
009古代エジプトの化粧パレットも様々な動物の形のものがあり、素敵。
第2章 都市の誕生
013は有名なウルのスタンダード。片面は平和の場面、もう片面は戦争の場面が描かれているがラピスラズリの色がとても美しい。何の用途に用いたか不明らしいのだが、何かの入れ物?
014楔形文字を刻んだ粘土板では、当時の給料がビールで支払われたことを表している。それって日給だったのかしら?全部がビールだと不便?飲めない人はどうするの?とかどうでもいいことを考えてしまった(笑)
019ミノス文明の雄牛跳び像はなかなかに勇ましいが、現代でもスペインでこのような競技があるようである。
第3章 古代帝国の出現
023アッシリアの戦士のレリーフ。アッシリアの戦士といえば猛者として有名だが、なかなかにりりしい姿で描かれている。
025金製のゾロアスター教徒像は、思いがけない小ささ。なんかかわいい!
028アウグストゥス帝の胸像。年をとってからも若い姿の胸像を作らせたとのことで、これはいったい幾つくらいの時のものなのか・・・老いた姿が後世に残ることをいやがったのだろうか。
第4章 儀式と信仰
032六博ゲームをする人物像。古代中国のゲームらしいが、いったいどんなゲーム?この像を見る限り、とっても楽しそうなのだが。
033アメリカ先住民のパイプがかわいい!かわうそ、猫、鳥、リス?
035ミトラス神像。今は絶滅しているミトラス教。ミトラス神が雄牛を刺しており、流れ出る血を犬や蛇が吸っているという・・・牛を屠るミトラス神を信仰する宗教だったらしいのだが、なにやら不気味な・・・
036アラビアの手形奉納品。実際の手をかたどって作られたものと考えられているという。爪がくぼんでいて、小指に骨折のあとが見えるからという。リアル・・・
第5章 広がる世界
043唐三彩の官吏傭の大きさにびっくり。こんな大きなものを墓に入れたとは!
048ホクスンの銀製胡椒入れはちっちゃな入れ物だが、ちゃんと胡椒の出る量を調節できる蓋がついているらしい。細かい細工。当時胡椒は大変な貴重品だったとのこと。
052モチェ文化の壺がワタクシ的にツボ(笑)。どれも、なんともユーモラスな形をしているのだ。
第6章 技術と芸術の革新
056ワステカ文化の女神像と057アステカ文明の悪霊の像は似た印象だが、悪霊とはいってもあまり怖くはない。
058インカ文明の黄金のリャマ小像。ほーんと、ちっちゃな像である。ワタクシ、小さいものが好きなのかも・・・
062ルイス島のチェス駒。ハリー・ポッターと賢者の石にも出てきたチェスの駒である。セイウチの牙などから作られているらしい。駒のそれぞれの表情がいいんですねぇ。クイーンは歯が痛い?(笑)
068ヘブライ語が書かれたアストロラーベ。時計、方位計、現在地の確認、計算機、星占いの道具にもなるという万能な道具。この小さなもので!
069明の紙幣。世界初の紙幣、でかすぎる!
070デューラー作「犀」。デューラーは犀を見たことがなかったとのことで、なんだか鎧のようなすごい犀に(笑)。しかし、ものめずらしかったのか、この版画は爆発的に売れたらしい。
第7章 大航海時代と新たな出会い
073柿右衛門の象。派手派手しい象。当時のヨーロッパ人にはこうしたものが受けたんでしょうか。
074ゴアのキリスト像。なんかこれ好き!かわいらしい。
079ナイジェリアのマニラ。腕輪型をした通貨で奴隷1人に対し50個とか・・・
081ジャワの影絵人形。てっきり金属で出来てるものと思っていたのだが、水牛の皮と角から出来てるんですね。
第8章 工業化と大量生産が変えた世界
087ビーグル号のクロノメーター。ダーウィンの航海時に使われたもの。波に揺られても使用できる。
088ヴィクトリア朝のティーセット。ウェッジウッドのものとは、087からのつながりか・・・
091自在置物(ヘビ)。先日、【ダブル・インパクト展】でも大きなものを見てきたところだが、是非とも動かしたところを見たい。
095アフガニスタンの戦争柄絨毯。こうした柄が織られるということ自体が衝撃的。
097銃器で作られた「母」像。平和への願いがこめられている。
エピローグ
101点目として、紙による避難用間仕切りが展示されていた。素晴らしいアイディア。
年表や地図のパネルを駆使した大変わかりやすい展示。同時代にどこで何があったか、どんなモノがあったかを知ることができる、おもしろい展示ですので、是非どうぞ。
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