【もうひとつの輝き 最後の印象派 1900-20's Paris展】
art-41 【もうひとつの輝き 最後の印象派 1900-20's Paris展】 東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館
最後の印象派展に行って参りました。
最後の印象派って何?って思いますよね。
20世紀初頭、フォービズムやキュビズムが台頭する中、印象派を引き継いだような芸術家たちもいて、いわば最後の印象派として成功していたが、その後、前衛的な芸術に押され、すっかり忘れられてしまっていた・・・
近年、再評価が進んでいる芸術家たちにスポットをあてた展覧会。
といっても、ワタクシが知ってるいるのは、この美術館で展覧会をみたアンリ・シダネル、ステーションギャラリーでの展覧会を見たエミール・クラウス、そしてアンリ・マルタンくらいなもの・・・
第1章 エコール・デ・ボザールの仲間たち
エドモン・アマン=ジャン
シャヴァンヌに師事した画家。女性を多く描いたようだが、輪郭のぼんやりした絵で、神秘的とも言える。
「リンとフランソワのアマン=ジャン兄弟」が一番気にいった。リンの抱えてる猫がかわいらしくて。
エルネスト・ローラン
アマン=ジャンの友人でもある画家で、雰囲気はちょっと似ているのだが、プラス点描が入った絵。ワタクシ的にはこっちの方が好み。
アンリ・マルタン
さらに好みなのがこの画家。こちらも点描を取り入れているが、なんといっても明るさがいい。「野原を行く少女」は少女が通ったあとに花が散っていく・・・妖精なのかな?「緑の椅子の肖像、、マルタン夫人」の光も美しい。
第2章 北部の仲間たち
アンリ・ル・シダネル
シダネル展を見てすっかり気にいった画家である。
「コンコルド広場」は前回も見たと思うのだが、夜、夕暮れを描かせるとこの独特の雰囲気がいいんですね。
しかし、「日曜日」、これはどちらかというと朝なのかな。柔らかな光、これも悪くない。
めずらしく、色彩鮮やかなのは「赤色のテーブルクロス」。手前は赤色のクロスに、赤いバラが散り、奥の部屋は黄色で統一されている。ちょっと意外な絵だった。
アンリ・デュエム
知らない画家だったが、羊飼いの絵ばかり描く人だったのか?きていた三枚はそうだった。夕日が美しい。
第3章 「バンド・ノワール(黒い一団)」の仲間たち
シャルル・コッテ
ブルターニュの漁村風景や人々の生活を描いた画家。確かに黒い・・・というか暗い。
リュシアン・シモン
バンド・ノワールとはいってもやや明るめ。しかも、ノワールとは思えない「リュクサンブール公園の午後」が一番お気に入り。これは印象派にかなり近い。
ルネ=グザヴィエ・プリネ
ブルジョワの生活を描いている。
「書棚」もいいが、「カブールの浜辺」もいい。失われた時を求めての舞台となったリゾート地である。
アンドレ・ドーシェ
風景画プラス風俗画だろうか。
結構明るい画風で、バンド・ノワールといってもいろいろである。
エミール=ルネ・メナール
「オデー川、河口の眺め」はなぜか三分割された風景画。夕暮れ?夜明け?静かな川の風景がなかなかいい。
遺跡の絵も2枚あり、エキゾチックな題材も好きだったのかもしれない。
第4章 ベルギーの仲間たち
エミール・クラウス
3枚しかきていなかったのは残念だけど・・・
クラウスといえばルミニスム。光が印象的な画家。ポスターになっている「リス川の夕陽」の光も大変印象的だが、「霞に煙るリス川」の淡い光の方がいいなあ。
「私の庭」の花の光の浴び方もいい。
第5章 遅れてやってきた仲間たち
ジャック=エミール・ブランシュのリトグラフはちょっとおもしろかったが、正直、この章はあまり印象に残らなかった。残念。
第6章 最後に加わった仲間たち
ウジェーヌ・カリエール
実は、ワタクシ、カリエールが苦手。
茶褐色系のなんというか、ぽわんとした絵で、なんか落ち着かないのだ。その印象は今回も変わらず。
ジョン・シンガー・サージェント
サージェントがこのグループに属していたとは意外である。
らしい、肖像画。
ジャン=フランソワ・ラファエリ
ドガの誘いで印象派展に参加することになったものの、写実的だとしてモネが反対したという。うーん、かなり印象派に近いと思うのだけど・・・
知らない画家も多かったですが、いい絵もたくさん!
是非どうぞ。
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